【2025MFJ2戦目SUGO vol.2】ST1000でナカリンが大健闘の2位 J-GP3の4人は元気の良い走りを見せる

日程・場所

2025年5月24日(土):公式予選・JSB1000・ST600レース1 天候:曇り コース:ドライ
2025年5月25日(日):決勝・JSB1000・ST600レース2 天候:雨のち曇り コース:ウェット・ドライ
観客動員数:8,500人(2日間合計)
会場:スポーツランドSUGO(宮城県)/1周=3.6211km

結果

ST1000

#34 ナカリン・アティラットブワパット
予選:9番手(タイム:1分27秒976)/決勝:2位

J-GP3

#15 タナチャット・プラトゥムトーン
予選:14番手(1分35秒815)/決勝:11位

#30 ノップルットポン・ブンブラウェット
予選:7番手(1分34秒894)/決勝:4位

#31 テーシン・インアパイ
予選:19番手(1分37秒539)/決勝:13位

#34 戸高倫太郎
予選:16番手(1分36秒610)/決勝:DNF(リタイア)

目次

レース概要

全日本ロードレース選手権第2戦が宮城県・スポーツランドSUGOで5月24日(土)・25日(日)に行われた。第1戦はJSB1000クラスのみの開催だったため、他のクラスにとっては今回が遅い開幕戦となった。

Astemo Pro Honda SI Racingからは、エースライダーの野左根航汰がJSB1000クラスに、羽田太河と荒川晃大がST1000クラスに、そして鈴木大空翔(タクト)がST600クラスにエントリー。さらにタイホンダとのコラボレーションチームであるAstemo SI Racing with Thai Hondaからは、ARRCアジアロードレース選手権ASB1000クラスでも速さを見せているナカリン・アティラットブワパットがST1000クラスに、J-GP3クラスには、昨年に続きタナチャット・プラトゥムトーンに加え、ノップルットポン・ブンブラウェットとテーシン・インアパイの3名。さらにAstemo SI Racing with RSCとして戸高倫太郎がエントリー。総勢9名という大所帯のチームとなった。

今回のSUGOは、チームを率いる伊藤真一監督の地元ということもあり、テレビやラジオへの出演も多くチーム、そして全日本ロードレースをPRした。また、Astemo宮城第5工場にライダーと共に表敬訪問し、多くの激励を受けた。

前週に公開テストがドライコンディションで行われ、各ライダーは精力的にマシンをセットアップし走り込んだ。SUGOは、今年、路面を新しく舗装しており、グリップが上がり、コースのカントも変わっただけに、しっかり確認を行いつつ、その感触に慣れていった。

全日本ST1000クラスデビューとなるナカリンは、予選で1分27秒台に入れ9番手。決勝は、雨は止んだが路面はウエットというコンディションで争われた。乾く方向だったためスリックタイヤを選んだライダーもいたが、ギャンブルはせずレインタイヤをチョイス。

レースが始まると亀井選手がトップに立ちリード。ナカリンは、好スタートを切りオープニングラップを5番手で終えると、1台、また1台と順位を上げ、折り返しとなる9周目には2番手に浮上。さらにトップを追っていくと17周目にファステストラップをマーク。最終ラップにはトップを射程に捕らえていく。しかし3コーナーでバックマーカーに引っかかってしまう。それでも最後まであきらめずにトップを追うと、トップの背後に迫っていく。そして最後のストレートで並びかけるが0秒117差で惜しくも優勝には届かなかったが大健闘の2位となった。羽田は7位争いを制し、荒川は9位でチェッカーフラッグを受けた。

J-GP3クラスの4名は、それぞれ若さ溢れるライディングを見せた。中でもノップルットポンは、初めての全日本参戦ながら予選7番手につけるとレースでも徐々に追い上げ、9周目には5番手に浮上。レース終盤に4番手を走っていたライダーが転倒したため、1つ順位を上げ4位でゴール。J-GP3仕様にブリヂストンタイヤという4人の中では一番良いパッケージだが、ATCで見せている速さを発揮した。タナチャットは、全日本2年目、ATCも2年目というシーズンだが、今ひとつ良い流れに乗れずに11位。テーシンも全日本デビュー戦で13位となりポイントを獲得したが、戸高は、7周目の4コーナーで他車に接触されて転倒。悔しいリタイアとなっている。

ライダー・監督コメント

伊藤真一 チーム監督 Shinichi Ito Team Manager

「4クラス、総勢9人のライダーを初めて走らせましたが、Astemo様、MITSUBA様、Honda様を始め、多くの皆様のご協力のおかげで無事レースを終えることができました。チームスタッフも本当によく頑張ってくれました。

ST1000クラスは、ナカリンの加速重視の走りが見事にマッチして優勝まであと一歩の2位表彰台を獲得しました。今年のARRC開幕戦では優勝しており成長著しいライダーです。ドライコンディションではまだ課題を残しているので、全日本のレースでも速く走れるようにサポートして参ります。

J-GP3クラスに参戦するタイ人ライダーの中では、ウム(ブンブラウェット)の成長が目を見張りました。去年も彼の走りは見ていましたが、今年からATCに参戦するようになり、一段と速くなっています。次戦の筑波では優勝争いに加われる走りができればと期待しています。

全日本参戦2年目となるタナチャットは少し苦戦を強いられました。しかし全日本のレースに一日も早く慣れようと取り組んでいますので、次戦の筑波までにアジャストできるようにチームでバックアップしてまいります。

最年少ライダーであるテーシン(12才)は、決勝で速くなりましたが、環境に左右されてしまい本来の速さを出せていないので、早く日本の環境に慣れて欲しいと思います。

戸高はレースでは、残念ながら他車に追突されて転倒リタイアと不運な開幕戦でしたが、ライバル意識も高く負けず嫌いな性格なので今後も一層の成長が期待できそうです。」

ST1000 #32
ナカリン・アティラットブワパット(NAKARIN ATIRATPHUVAPAT)

「今週末は、私にとって初めてづくしのレースウイークとなりました。初めてのチャンピオンシップ、そして初めて日本のチームでの参戦でしたので、ハードになると予想していました。しかし、それは全くの杞憂でした。チームと一緒に仕事をして、彼らが非常にレベルの高いプロフェッショナルの集団であり、すぐに私にとってコンフィデントなチームであることが確認できました。

金曜日に走行が始まると、セッションごとに私の結果は良くなり、さらに自信を高めることができました。決勝朝のウォームアップ走行ではレースを楽しめると感じました。ウォーミングラップで一番に飛び出したあとは、それが間違いないと再度確信し、あとはレースで可能な限りプッシュすることに専念しました。

初めての全日本を2位で終えることができ、監督、チーム、そして僕を支えてくれたすべての人にお礼を述べたいと思います。今回の日本でのレース経験を活かして次のアジア選手権に臨みます。そして次戦もてぎでのチャンピオンシップに戻ってくるのを今から楽しみにしています。」

J-GP3 #30
ノップルットポン・ブンブラウェット(”AUM” NOPRUTPONG BUNPRAWES)

「Astemo SI Racing with Thai Honda チームのライダーとして全日本ロードレース選手権に参戦できることを大変うれしく、そして光栄に思っています。

僕にとって初めてとなる日本でのレースで、4位フィニッシュできたことにとても満足しています。レースではトップグループに追いつけることができたことで自信を高めることができました。しかし7〜8周目になるとリズムが崩れ始め、順位を落としてしまいました。その後、再度走りに集中することを意識してラップを重ねると、ようやくリズムを取り戻すことができ、ポジションも上げることに成功しました。

今日のレースでは、単独走行の際にコンセントレーションを失わず、リズムを維持することの大切さを改めて知りました。今回の流れを次のレースにも繋げられるように頑張ります。引き続き応援よろしくお願いいたします。」

J-GP3 #15
タナチャット・プラトゥムトーン(”AUSTIN” THANACHAT PRATUMTONG)

「フリープラクティスからなかなかリズムが掴めずに厳しいレースウイークの始まりとなりました。これまで雨のレースで良い結果を残すことができていたので、今回も期待をしていました。しかしスタートがうまく決まらず、なかなか順位を上げることができず苦戦を強いられました。

レース後半になってくるとようやく自分のペースを掴むことができ、ポジションを上げることに成功し、11位でレースをフィニッシュしました。次戦の筑波ラウンドでは走行初日からリズムをつかめるよう、良い成績が残せるように頑張ります。応援よろしくお願いいたします。」

J-GP3 #31
テーシン・インアパイ(”BRITE” TECHIN IN-APHAI)

「今シーズン Astemo SI Racing with Thai Honda から J-GP3 クラスに参戦できることをとてもワクワクした気持ちでSUGOに到着しました。日本のチャンピオンシップはとてもレベルが高いことは知っているので、今年はレースウィークを通じて速いライダーたちと一緒に走ることで多くのことを学びたいと思っています。

今日のレースではまずは完走を目指し、1つでもポジションを上げることを目標にしていたのでグリッド19番スタートから13位フィニッシュできたことをうれしく思っています。6月の筑波でのレースを楽しみにしています。応援よろしくお願いいたします。」

J-GP3 #34
戸高倫太郎(RINTARO TODAKA)

「はじめに、今シーズン Astemo SI Racing with RSC からGP3クラスに参戦できることをとてもうれしく思っています。

今週末を振り返ると、走行初日の金曜日から思ったようにラップタイムを上げることができず悔しいスタートとなってしまいました。気持ちを切り替えて予選に望みました。2周目まで良いフィーリングで走れると感じていましたが、3周目、突然にグリップを失って転倒してしまいました。予選では12番手辺りを狙えると思っていただけにとても残念でした。

決勝ではスタートがうまく決まり、追い上げに成功すると5周目には12番手につけました。その後、残念ながら他の選手との接触を避けることができずにレースはリタイアを余儀なくされました。今週末は転倒も多く、チームに迷惑をかけてしまいました。次の筑波では今回の悔しさを晴らし、良い結果を残せることができるよう頑張ります。応援よろしくお願いいたします。」

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