日程・場所
栃木県・モビリティリゾートもてぎ(1周=4.801379km)
2026年8月29日(土):公式予選・JSB1000、ST1000 レース1 天候:雨 コース:ウエット
30日(日):決勝・JSB1000、ST1000 レース2 天候:くもり コース:ドライ
観客動員数:12,000人(2日間合計)
JSB1000
#4 野左根航汰
Race 1 予選4番手(タイム:1分58秒055)決勝:2位
Race 2 予選4番手(タイム:1分58秒517)決勝:9位
ST1000
#1 羽田太河
Race 1 予選7番手(タイム:2分00秒385)決勝:4位
Race 2 予選13番手(タイム:2分01秒965)決勝:優勝
#5 荒川晃大
Race 1 予選2番手(タイム:1分59秒455)決勝:15位
Race 2 予選2番手(タイム:1分59秒642)決勝:3位
ST600
#15 濵田寛太
予選7番手(タイム:2分03秒562)決勝:14位
#31 中谷健心
予選2番手(タイム:2分03秒279)決勝:9位
レース概要
全日本ロードレース選手権シリーズ、2026年シーズン後半戦のスタートとなる第5戦が栃木県・モビリティリゾートもてぎで8月29日(土)・30日(日)に行われた。8月の最終週だけに、残暑が厳しいコンディションが予想されたが不安定な天候に翻弄されるものの、国内最高峰のライダーたちが各クラスで熱戦を繰り広げた。
今回は事前テストがないため、木曜の特別スポーツ走行が設けられ通常より1日多いレースウイークとなった。ただ、午前、午後に各クラス30分が1本ずつとなっており、限られた時間の中でマシンセットを進めなければならなかった。JSB1000クラスの野左根航汰のマシンは、今回よりアップデートされただけに、しっかりまとめていきたいところだったが、初日は雨模様となり、2日目はドライと不安定なコンディションとなる。その中で野左根とチームは常に上位につけ、異なるコンディションでのマシンセットを進めていった。
土曜日は雨に見舞われ、まずはウエットコンディションの公式予選に臨んだ。野左根はセッション終盤のアタックで1分58秒055までタイムを縮め4番手。計測最終周にも、もう一度アタックしたタイムが1分58秒517でセカンドタイムとなり、両レースとも4番手グリッドを確保した。

迎えたレース1。得意のスタートを決めた野左根は3番手で1コーナーに入っていくと2コーナーで2番手に浮上。3コーナーで抜き返されるもののS字コーナーの進入で2番手に上がると2周目の同じくS字コーナーの進入で水野選手をかわしてトップに立つ。そのままトップを快走していたが5周目の1コーナーで水野選手にかわされる。ここから水野選手が一気にペースを上げる。何とかついていきたい野左根だったが、雨量が多くなってきたこともあり思うようにペースアップできずにいた。それでも後続の中須賀選手を寄せ付けず単独2位でゴールした。
日曜日のレース2は、レース1より2周多い17周で争われた。今度は1コーナーで2番手に上がると、4コーナーで水野選手のイン側を突きトップに立つが、レース2でトップに立ったのは、この場面のみとなった。4コーナー立ち上がりで水野選手にかわされると2周目には長島選手にもかわされ3番手に後退。トップグループは3台が形成していたが、野左根はマイナートラブルが出てしまい徐々に後退。その背後から國井選手が迫って来ると13周目の90度コーナーでかわされてしまう。野左根はクロスラインをかけて抜き返すものの続く1コーナーでかわされてしまう。何とか抜き返そうとしていたが、16周目の4コーナー立ち上がりでマシンが振られた際、マシンに問題が出てしまい続く5コーナーでコースアウト。何とか転倒は免れコースに戻るが大きく順位を落として9位でチェッカーフラッグを受けた。
ST1000クラスは今回、シーズン唯一の2レース制となっており重要な1戦となる。2年連続チャンピオンを狙う羽田は、右肩の状態もよくなりフィジカル面も万全だったが、予選のセッション序盤にエンジントラブルに見舞われてしまいタイムアタックできずにレース1は7番手、レース2は13番手と後方スタートとなった。荒川は両レースとも2番手グリッドを獲得した。
エンジンを載せ換えレース1を迎えた羽田は、序盤の混戦をこなし、レース終盤は荒川も含む3台の3位争いを繰り広げる。羽田が3番手、その背後にファステストラップを記録した荒川が迫り最終ラップを迎える。90度コーナーをクリアし、あとは最終コーナーのみというところで羽田に荒川が接触。羽田は体勢を崩すが何とか転倒を免れるものの荒川は転倒を喫してしまう。この隙に1台にかわされ羽田は4位。荒川は再スタートしチェッカーを受けるが、30秒加算のペナルティを受け15位となっている。

ドライとなったレース2は、羽田が後方グリッドからロケットスタートで一気にポジションアップ。オープニングラップで3番手に上がると、3周目に荒川をかわし2番手に浮上。トップを走る國峰選手を追っていく。國峰選手のペースは速く、なかなか追いつくことができなかったが、レース終盤となる10周目にファステストラップをマークすると最終ラップに射程にとらえる。そしてV字コーナーのブレーキングで國峰選手をかわしトップに浮上。そのままトップの座を守りきりチェッカー。今シーズン3勝目を挙げた。荒川も3位に入りAstemoカラーの2人が表彰台に立った。

ST600の2人は雨の予選で健闘し、中谷が2番手、濵田が7番手と好位置につける。決勝は、ドライコンディションのもと大集団のバトルを戦い抜き中谷が9位でゴールし今季初ポイントを獲得。濵田も14位でゴールし2ポイントを獲得した。


ライダー・監督コメント
JSB1000 RIDER #4 野左根航汰 KOHTA NOZANE

「ウエットでは去年から課題が多く、最終戦で表彰台に上がることはできましたが、ペース的には明らかに足りていませんでした。それを考えると、ウエットでの経験も含めて、今回はかなり改善できたと思います。今回から車両もアップデートされて、いい部分は出てきました。ただ、まだそのポテンシャルを引き出し切れていないというのは、チームとも話しています。ハーフウエットではかなりポテンシャルが高く、周りにも負けていないと感じました。ドライとなったレース2は、序盤、無理をして前についていったことでリアタイヤをかなり荒らしてしまい、特に右側の摩耗が大きく、思ったより早くタイヤが落ちてしまいました。最後は表彰台争いをしたかったので、もう一度振り絞っていったのですが、4コーナーの立ち上がりでバイクが振られ、その影響でフロントブレーキに問題が出てしまい、リアブレーキで止まろうとしましたが、十分に制動できずコースアウト。すごく悔しい展開になってしまいましたが、自分としてはやれるだけのことはやったつもりですし、ギリギリ転ばずに済んだのはよかったです。今週のドライでは純粋にペースが足りなかったと思います。今回テストがなかったことも響いた部分はあると思いますが、アップデートされたもの自体はよかったので、そこからさらにもう一歩、引き出していきたいです。ランキングのことは考えすぎず、岡山と鈴鹿に向けてしっかり準備します。バイクだけでなくライディング面でも自分自身がもっと前進しなければいけません。ライバルも強くなってきているので、しっかり頑張りたいと思います」
JSB1000 RIDER #32 羽田太河 TAIGA HADA

「今回は走り始めから調子がよくて、ウエットコンディションでも今までに比べれば断然いいフィーリングで走ることができました。ただ、予選ではセッション序盤にエンジンが壊れてしまい、ほとんど周回できませんでした。その影響もあってレース2のグリッドは後方になってしまい決勝は厳しかったですが、レース終盤になってようやくペースを上げることができました。ファステストラップを出せましたし、自己ベストとほぼ変わらないところまでレース中に持っていけたので、そこはよかったと思います。レース1も難しい状況の中、順調に来ていた中で、最後に最終コーナーでアクシデントがあったのは残念でした。3位と4位ではチャンピオンシップを考えても大きな違いがあるので、そこは悔しいですね。その分、レース2で優勝できたのは、大きかったと思います。この調子を維持して、次のレースも頑張ります」
ST1000 RIDER #5 荒川晃大 KOHTA ARAKAWA

「前回のオートポリスからの課題を克服できないまま、今回のレースウイークを迎えてしまったというのが正直なところです。それはウエットでもドライでも同じだったと思います。レースウイークのコンディションも安定していなかったこともあり、難しい状況でした。次の岡山までにもう一度しっかり今回のデータを見直して、少しでも課題を克服できるように事前テストから取り組んでいきたいと思います。今回もチームの皆さんやスポンサーの方々のおかげで、無事にゴールすることができました。しっかり岡山に向けて準備していきたいと思います」
ST600 RIDER #15 濵田寛太 KANTA HAMADA

「レースウイークを通して、すごくいい走りができる場面がありました。今回はいい位置からのスタートでしたし、トップグループとのスピード差もそれほどなかったのですごく自信がありました。自分の中でもすごく意気込んで臨んだレースでした。ただ、いざレースが始まってみると、少し無理をしなければいけない状況になってしまいコースアウトしてしまいました。一時は15、16番手あたりまで順位を落としてしまいましたが、そこから追い上げることができました。今回はすごくいいセットも見つかりましたので、次戦の岡山では天候を気にせずにレースに臨む自信がつきました。そういう意味でも、今回はすごくポジティブなレースウイークになったと思います」
ST600 RIDER #31 中谷健心 KENSHIN NAKATANI

「ポイントを取れたことで、ひとまず安心しました。目指しているのは、そこではありませんが鈴鹿に出場できることが確定したことは良かったと思います。ウエットは、乗れている印象がありましたが、やはりドライでもっと速く走れなければなりません。他にもいろいろ課題が見つかりましたが、すぐに実践するのも難しいことも分かりました。やっぱり今は、できるだけ走り込むことが一番早いのかなと思います。スタートはわりとよかったのですが、その後、各コーナーで2台に抜かれたりしました。そこをもう少し抑えて、さらに1秒くらいタイムを上げられれば、前のグループについていけたのかなと思います。課題はたくさんありますが、その中でも今日は自分のできることはやれたかなという感じです。残り2戦、もっと上に行けるように頑張ります」
チーム監督 伊藤真一 SHINICHI ITO

「JSB1000クラスの野左根は雨が得意なので、レース1で2位表彰台、レース2では、少し不具合を抱えながら走らせてしまった部分もありました。大きなトラブルというわけではないのですが、いくつか気になる部分がありました。厳しい状況でしたが、しっかりポイントを拾えたのはよかったと思います。次の岡山にはしっかり対策して臨みたいですね。今回からマシンもいろいろとバージョンアップしていて、それが少しずつ機能し始めた感触はありました。Hondaさんをはじめ、ご協力していただいた皆さんに感謝しています。まだまだ足りない部分はあるので、もう少しセットを詰めて優勝を狙いたいところです。ST1000では、レース1でチーム内で接触があったのは残念でした。その分、レース2で羽田が追い上げて優勝できたことはよかったですね。荒川も3位となりましたが、まだまだ課題があるので次戦で改善できるようにバックアップしていきます。ST600の中谷は途中からペースをつかみ9位まで追い上げましたし、濵田も一時は集団の先頭に立つなど、成長を感じる場面がありました。残り2戦しかないので、いつまでも課題と言っているわけにはいきません。しっかり結果を出せるようにしていきたいです。今回はチームのホームコースとも言えるもてぎということもあり、Astemo様をはじめ、多くの皆さまが応援に駆けつけてくださいました。本当にありがとうございます。皆さまの期待に応えられるように、残りの岡山、鈴鹿でも優勝を目指していきます」
チーム監督 伊藤真一 追加コメント
「平素よりAstemo Pro Honda SI Racingの活動に多大なるご支援を賜り、誠にありがとうございます。
このたび、MFJ全日本ロードレース選手権シリーズ第5戦 ST1000クラス決勝レースにおきまして、弊チーム所属ライダーのレース中の行為に関し、多くの皆様にご心配とご迷惑をおかけする事態となりましたことを、チーム監督として深くお詫び申し上げます。
当該レースにつきましてはMFJ競技規則に基づき正式に成立しており、レース運営上の中断や競技結果への影響を伴う事案には至っておりません。
また、相手チームおよび関係者の皆様とも状況確認とコミュニケーションを行い、本件については双方で認識を共有し、今後も健全な競技活動を継続していくことで合意しております。
しかしながら、多くのファンの皆様や関係者の方々からスポーツマンシップの観点でご指摘をいただいていることを重く受け止めております。
また、日頃よりチームを支えていただいているスポンサーの皆様に多大なるご心配をおかけしましたことを、改めて深くお詫び申し上げます。
今回の事案を教訓とし、選手およびスタッフへの指導をより一層徹底するとともに、スポンサーの皆様に信頼いただけるチーム運営に努めてまいります。
今後は皆様からの信頼回復を最優先に、チーム一丸となって誠実な活動を続けてまいりますので、何卒ご理解を賜りますようお願い申し上げます」

