日程・場所
三重県・鈴鹿サーキット(1周=5.821km)
2022年11月5日(土):公式予選・JSB1000レース1
天候:晴れ コース:ドライ
6日(日):決勝・JSB1000レース2・3
天候:晴れ コース:ドライ
ST1000クラスは「前でゴールした方がチャンピオン」。
ついに最終戦を迎えた全日本ロードレース選手権。
MFJグランプリと冠され、ボーナスポイントが3ポイントつき、より多くのポイントが獲得できる。
また、JSB1000クラスは、史上初めて3レース制となっておりシリーズランキング争いの行方にも注目が集まった。Astemo Honda Dream SI Racingとしては、ST1000クラスの渡辺一馬が前戦の岡山ラウンドで優勝し、シリーズランキングで國峰選手と同ポイントで首位に立ち、今回の鈴鹿ラウンドを迎えていた。
要は前でゴールした方がチャンピオンになる状況となっていた。
木曜日の特別スポーツ走行からレースウイークは始まり、2年連続チャンピオンを狙う渡辺は初日から好調だったが、ライバルも調子を上げてきており油断は禁物だった。
レースウィークは秋晴れ。
一方、JSB1000クラスの作本輝介は、様々なトライをしながらマシンセットを進め、ST600クラスのムクラダ・サラプーチは、5年振りに走る鈴鹿サーキットを攻略していっていた。
レースウイークは、朝晩は冷え込むようになってきていたが、秋晴れに見舞われ安定したコンディションの中、セッションは進んでいった。
土曜日の公式予選では、この日レース1が行われるJSB1000クラスが先に行われた。
作本は、タイム出しに苦戦し、3列目と4列目からのスタートとなっていた。
ムクラダは、走る度にタイムを上げ2分12秒台をマーク。
渡辺は、タイムアタック中に赤旗中断になってしまい、タイヤのグリップのいいときを逃してしまう不運もあったが、再開後はコンスタントに2分08秒台で走りライバルを圧倒する走りを見せつける。
タイトルを争う國峰選手はポールポジション。その後方となる4番手に渡辺は着けていた。
渡辺一馬がスリップストリームに入ると一気にトップに!2年連続チャンピオン!
そして運命の最終決戦を迎える。ST1000クラスは、12周で争われた。
渡辺はスタートは、まずまずだったが、周りが、かなりアグレッシブだったため慎重に1、2コーナーをクリア。オープニングラップは5番手につけていたが、そこから1台、また1台と前を走るライダーをかわしていく。
レース序盤は、南本選手がレースを引っ張り、タイトルを争う國峰選手と高橋選手と4台がトップグループを形成し、周回を重ねていく。
そしてレースも折り返しを過ぎた7周目のバックストレートで渡辺は、南本選手と國峰選手のスリップストリームに入ると一気にトップに立つ。
ここで少し固くなってしまったと言う渡辺は、國峰選手にかわされるものの、130Rで抜き返すとペースアップ。後続の追撃を振り切りトップでゴール。優勝で2年連続チャンピオンを決めた。
ファクトリーマシンとのデッドヒート作本選手。ムクラダは最終戦で6ポイントの加算。
3レース行われたJSB1000クラス。土曜日に行われたレース1で6位に入った作本は、レース2に向けてチームとマシンを改善していくと、レース2では、うまくスタートを決め4番手で1コーナーをクリア。トップグループにつけ周回を重ねる。
6周目には清成選手をシケインでかわし3番手に浮上。そのままポジションをキープしたいところだったが、レース終盤に2台にかわされ5位でチェッカーフラッグを受けた。
レース3に向け、さらにマシンセットを変更して挑むと、それがいい方向に進み、フィーリングはさらによくなってきていた。またもスタートをうまく決めた作本は、3番手につけトップグループにつける。
4周目に一つポジションを下げるが4番手をキープ。背後にはヤマハファクトリーの岡本選手が迫ってくる。何とか抑えようとしていた作本だったが、最終ラップにかわされてしまい5位でフィニッシュした。
ST600クラスは、13周で争われ、ムクラダは混戦を戦い抜き集団のトップでゴール。13位となり6ポイント加算している。
ライダー・監督コメント
伊藤真一 チーム監督Shinichi Ito Team Manager
今シーズンもAstemoさんを始め、多くのサプライヤー、関係者の皆さんのおかげで戦い終えることができました。本当にありがとうございます。
Astemoさんには、ハード面でも、ソフト面でも支えていただき、戦闘力のあるマシンに仕上げてくださいました。
渡辺は、 開幕戦のペナルティから、よく巻き返してくれました。マシンの仕上が りも昨年よりも安定してよかったですし、今回の最終戦も強い走りをしてくれました。
作本は、鈴鹿8耐を含め浮き沈みはありましたが、 JSB1000マシンをものにしてきたと思うので来シーズンは、コンスタントにトップ争いに絡んでくれるでしょう。
ムクラダは環境の違う日 本に来て、予想以上の走りをしてくれたので、来シーズンが楽しみです。
JSB1000 #27 作本輝介 Kousuke Sakumoto
Race 1 予選12番手(タイム:2分08秒052)決勝:6位
Race 2 予選8番手(タイム:2分07秒618)決勝:5位
Race 3 予選9番手(タイム:2分07秒015)決勝:5位
シリーズランキング:4位
今回は走り出しからタイムを上げることができず厳しい予選、決勝となってしまいました。
その中でチームの皆さんが、いろいろ対策してくださりレー スを重ねるごとに改善でき、よくなっていました。
ただ、トップ争いをするには、まだまだ足りない部分があることを実感しましたし、自分自身のライディングスキルにも課題が残りました。
今シーズンはJSB1000クラスを走らせていただきましたが、思うように走ることができないレースの方が多かったのですが、多くのことを学ばせていただきました。
このオフに課題を克服して、来シーズン走るチャンスがあれば、開幕戦からいい状態で始められるように準備したいですね。今シーズンも多くの応援ありがとうございました。
St1000 #1渡辺一馬 Kazuma Watanabe
予選4番手(タイム:2分08秒564)
決勝:優勝
シリーズランキング:チャンピオン
まずは、完璧な状態のマシンを用意してくださったチーム、関係者の皆さんに感謝したいですね。
今回のレースウイークは走り始めから、すごくいいフィーリングで走ることができましたし、それが自信になりまし たし、落ち着いてレースに挑むことができました。
開幕戦で悔しい思いをして、2戦目もうまく走れませんでしたが、オートポリス から今回の最終戦まで4連勝を飾ることができ、2年連続チャンピオンになれたのもチームのおかげです。
このチームの一員として走れることを誇りに思います。応援してくださった、すべての皆さん、ありがとうござ いました。
St600 #39ムクラダ・サラプーチ
予選20番手(タイム:2分12秒745)
決勝:13位
シリーズランキング:17位
今シーズンは、全日本ST600クラスにAstemo Honda Dream SI Racingから参戦させていただき、伊藤監督を始めチームの皆さんのサ ポートに感謝いたします。な
かなか思うような結果は残せませんでしたが、来年は、今年の経験を生かして、さらに速く走ることができるので、また 頑張りたいと思っています。チャンピオンになった渡辺選手、おめでとうございます!