【2025MFJ2戦目SUGO vol.1】レース1で野左根航汰が中須賀選手と一騎打ちのトップ争いを繰り広げ0秒004差の2位

日程・場所

2025年5月24日(土):公式予選・JSB1000・ST600レース1 天候:曇り コース:ドライ
2025年5月25日(日):決勝・JSB1000・ST600レース2 天候:雨のち曇り コース:ウェット・ドライ
観客動員数:8,500人(2日間合計)
会場:スポーツランドSUGO(宮城県)/1周=3.6211km

結果

JSB1000

4 野左根航汰
Race 1:予選3番手(1分25秒570)/決勝2位
Race 2:予選3番手(1分25秒911)/決勝DNF(リタイア)

ST1000

#3 羽田太河:予選2番手(1分27秒165)/決勝7位
#5 荒川晃大:予選4番手(1分27秒577)/決勝9位

ST600

#12 鈴木大空翔
Race 1:予選15番手(1分30秒551)/決勝16位
Race 2:予選18番手(1分30秒875)/決勝14位

目次

レース概要

全日本ロードレース選手権第2戦が宮城県・スポーツランドSUGOで5月24日(土)・25日(日)に行われた。第1戦は、JSB1000クラスのみの開催だったため、他のクラスにとっては今回が遅い開幕戦となった。

Astemo Pro Honda SI Racingからは、エースライダーの野左根航汰がJSB1000クラスに、羽田太河と荒川晃大がST1000クラスに、そして鈴木大空翔(タクト)がST600クラスにエントリー。さらにタイホンダとのコラボレーションチームであるAstemo SI Racing with Thai Hondaからは、ARRCアジアロードレース選手権ASB1000クラスでも速さを見せているナカリン・アティラットブワパットがST1000クラスに、J-GP3クラスには、昨年に続きタナチャット・プラトゥムトーンに加え、ノップルットポン・ブンプラウェットとテーシン・インアパイの3名。さらにAstemo SI Racing with RSCとして戸高綸太郎がエントリー。総勢9名という大所帯のチームとなった。

今回のSUGOは、チームを率いる伊藤真一監督の地元ということもあり、テレビやラジオへの出演も多くチーム、そして全日本ロードレースをPRした。また、Astemo宮城第5工場にライダーと共に表敬訪問し、多くの激励を受けた。

前週に公開テストがドライコンディションで行われ、各ライダーは精力的にマシンをセットアップし走り込んだ。SUGOは、今年、路面を新しく舗装しており、グリップが上がり、コースのカントも変わっただけに、しっかり確認を行いつつ、その感触に慣れていった。

JSB1000の野左根は、公開テストの最後に転倒はあったものの、着実に前進している手応えがあった。しかしライバルは、さらに上をいっており、レースウイークでどこまで詰めていけるかが課題だった。しかし、金曜日に走り出してみると、テストのときとフィーリングが変わってしまい、当初の予定とは違う方向でマシンセットを進めていった。

公式予選では、1分25秒570をマーク。ヤマハファクトリーの中須賀選手と同タイムとなったが、セカンドラップタイムでは僅かに遅れるものの1分25秒911と好タイムをたたき出し、両レースともフロントロウ3番手グリッドからスタートした。

レース1は中須賀選手との一騎打ちのトップ争いとなった。スタートからトップに立った野左根だったが、3周目の1コーナーでかわされ2番手に後退。そこから中須賀選手をマーク。レース終盤になると、さらに接近し勝負を仕掛けるポイントを探っていく。そして最終ラップのハイポイントコーナーからレインボーコーナーでインから前に出ていく。トップでバックストレートに入っていくが、馬の背コーナーで抜き返される。シケインの進入では、インを抑えられたため、アウトから立ち上がり重視のラインを取り、最終コーナーからホームストレートの10%勾配を立ち上がっていく。何とかかわしたかったが、0秒004という僅差で悔しい2位となった。

レース1の反省を踏まえ、序盤に前に出ていこうとしたレース2。前日から降っていた雨は、ほぼ止んだが、ウエットパッチが所々にあるコンディションのもとスタートが切られる。野左根は、レース1に続き好スタートを切ると、真っ先に1コーナーに入り、ホールショットを奪う。しかし、1コーナーを立ち上がり2コーナーにさしかかったときにウエットパッチにフロントタイヤが乗ってしまい痛恨の転倒。マシンを起こすが、エンジンがかからず再スタートできない。天を仰いだ野左根は、そのままリタイアとなってしまう。

ST1000クラスの羽田は、公開テストから絶好調。常にトップタイムを争う走りを見せていた。予選は2番手につけ、チームメイトの荒川も4番手に続いた。全日本デビューとなるナカリンも予選で1分27秒台に入れ9番手につけていた。

決勝は、雨は止んだが路面はウエットというコンディションで争われた。乾く方向だったためスリックタイヤを選んだライダーもいたが、3人ともギャンブルはせずレインタイヤをチョイス。羽田はダンロップレインを履くのは、この日が初めて。タイトル争いを考え無理をしないと決めていた。

レースが始まると亀井選手がトップに立ちリード。羽田は7番手争いを繰り広げ、荒川もこの集団に入っていた。ナカリンは、ペースをつかむと1台、また1台と順位を上げ、折り返しとなる9周目には2番手に浮上。さらにトップを追っていくと17周目にファステストラップをマーク。最終ラップにはトップを射程に捕らえていく。しかし3コーナーでバックマーカーに引っかかってしまう。それでも最後まであきらめずにトップを追うと、トップの背後に迫っていく。そして最後のストレートで並びかけるが0秒117差で惜しくも優勝には届かなかったが大健闘の2位となった。羽田は、7位争いを制し、終盤ペースを上げられなかった荒川は9位でチェッカーフラッグを受けた。

ST600クラスも2レース制で行われたレース1では16位と惜しくもポイントを逃した鈴木だったが、赤旗が2度出て終わった波乱の展開となったレース2は14位とポイント圏内で終えた。

次戦、全日本ロードレース選手権第3戦は、2025年6月21日(土)、22日(日)に茨城県・筑波サーキットで行われます。

ライダー・監督コメント

伊藤真一 チーム監督 Shinichi Ito Team Manager

「4クラス9人のライダーを初めて走らせましたが、Astemo様、MITSUBA様、Honda様を始め、多くの皆様のご協力のおかげで無事レースを終えることができました。チームスタッフも本当によく頑張ってくれました。今回も色々なことがありましたが、みんなで作ってきたことが形になり、JSB1000クラスでは、ヤマハファクトリーと対等に渡り合うレースができました。レース2では、さらに上を狙ったのですが、足もとをすくわれてしまいました。次戦も優勝を目標にチャレンジしていきます。
ST1000クラスは、ナカリンの加速重視の走りが見事にマッチして優勝まであと一歩の2位。ARRCでも開幕戦を制していますし成長著しいですね。ドライでは課題がまだあるので、全日本でも速く走れるようにサポートしていきます。羽田は、雨になり無理をしないレース展開でした。ドライで調子がよかったので次戦は優勝を期待したいですね。荒川は、このチームでの初レースでしたが、まだまだポテンシャルを引き出せていないので引き続きバックアップしていきます。鈴木は、レースウイークに入ってタイムを伸ばせましたが、まだまだレベルアップできると思います」

JSB1000 #4 野左根航汰 KOHTA NOZANE

「公開テストは順調だったのですが、レースウイークに入ってコンディションが変わってしまい、当初の予定とは違う方向でチームと話し合いながらマシンセットを進めていきました。決勝は、1分25秒台後半から1分26秒台前半になると予測していたので、そのペースを目指して取り組みました。その努力の甲斐もあって、レース1では、中須賀選手との一騎打ちのトップ争いを繰り広げられましたし、最後の3周は自分の方がスピードがあったと思います。勝つことはできませんでしたが、最後まで勝負できたことは大きな進歩だと思います。
レース2は、ウエットパッチが残っているコンディションだったので、後方に埋もれると抜くのにリスクがあるので、先行逃げ切りを狙いました。スタートもよくトップで1コーナーに入れたところまでは、よかったのですが、自分のミスでウエットパッチに乗ってしまい転倒してしまいました。すごく悔しいですし、応援してくださった皆様、ここまで一緒にマシンを仕上げてくれたチームに申し訳なく、チャンピオンシップも厳しい状況になってしまいましたが、次戦も勝つことだけを考えて挑みます」

ST1000 #3 羽田太河 TAIGA HADA

「公式予選までは、すごく順調でしたし、早くレースがやりたいと思っていました。しかし、日曜日は朝から雨が降ってしまい、ウォームアップ走行でウエットコンディションを初めて走ってみると難しい状況なのが分かりました。スタートするとナカリンのペースがよかったので、前に行ってもらいました。チャンピオンシップを考えると今回は無理するレースではなかったので、最低限ライバルとなるライダーの前でゴールしようと切り替えました。その目標が達成できたので、決して満足いく結果ではありませんが、次回こそドライで勝ちを狙います」

ST1000 #5 荒川晃大 KOHTA ARAKAWA

「日曜日に雨になり朝のウォームアップ走行は、フルウエットで感触は悪くなかったのですが、決勝は、ハーフウエットで乾いていくコンディションになりました。レース序盤は何とか羽田選手についていけたのですが、途中から急にフロントのグリップ感がつかめなくなってしまいペースを上げられませんでした。悔しいレースになりましたが、ウエットコンディションでもドライで抱えている部分と共通のものがあったので、次戦までにライディング面での改善も含めて解決にトライしていこうと思っています」

ST600 #12 鈴木大空翔 TAKUTO SUZUKI

「レース1、レース2とスタートはよかったのですが、その後のペースを上げられずにゴールという展開でした。予選のタイムが一番よかったのですが、決勝でも、そのペースで走れるようにしていくのが課題です。今シーズンからチームに加わらせていただき心機一転。伊藤監督を始め、パフォーマンスディレクターの渡辺一馬選手が走りを見てくださったおかげで自己ベストは更新できましたが、まだまだ課題が残っています。次戦もてぎまで時間があるので、しっかりトレーニングをしてレベルアップを狙います」

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