日程・場所
2025年9月13日(土):公式予選・JSB1000レース1 天候:曇りのち雨 コース:ドライ
14日(日):決勝 天候:雨のち曇り コース:ドライ
大分県・オートポリス(1周=4.674km)
観客動員数:8,600人(2日間合計)
JSB1000
#4 野左根航汰
Race 1 予選2番手(タイム:1分48秒351)決勝:2位
Race 2 予選3番手(タイム:1分48秒815)決勝:2位
ST1000
#3 羽田太河
予選2番手(タイム:1分51秒379)決勝:中止
#5 荒川晃大
予選10番手(タイム:1分52秒595)決勝:中止
レース概要

鈴鹿8耐、そして前戦もてぎラウンドは、とにかく厳しい暑さだったが、今回の第5戦オートポリスは、暑さはひと段落。しかし、雄大な阿蘇の大自然の中にあるサーキットだけに、変わりやすい天候に翻弄されることになる。今回は、前週に事前公開テストが行われ、初日はドライ、2日目は雨と、2つのコンディションでテストができ、レースウイークを迎えていた。
レースウイークも天気予報は雨マークがあったが、初日は快晴。土曜日は、曇りで時より雨が降ってきたが、基本ドライコンディションで走行できていた。
JSB1000クラスは、さらなるアップデートを行ってオートポリスに持ち込んだ。走行初日となった金曜日は2本目のセッション終盤に1分48秒842をマークし2番手。ST1000の羽田太河は今回も走り込んで徐々にタイムを上げ1分52秒256で5番手、荒川晃大は1分52秒899で10番手につけた。
JSB1000クラスの公式予選は30分で行われた。野左根は最初のアタックで1分48秒815をマーク。このタイムがセカンドラップタイムとなり、レース2は3番手。セッション終盤のアタックで、1分48秒351までタイムを縮め、レース1は2番手グリッドを獲得した。続いて行われたST1000クラスの公式予選は、20分間で行われたが、最初のアタック直後に雨が落ちてくる。羽田は、計測2周目に他車に引っかかりながらも1分51秒379をマークし2番手。荒川は、セッション終盤にマークした1分52秒595がベストタイムとなり10番手となっていた。
15周で争われたレース1。野左根は得意のスタートを決めホールショットを奪うとレースをリードする。しかし、思っていたよりペースを上げることができず4周目に中須賀選手にかわされると集団に飲み込まれてしまい、一時は6番手までポジションを落としてしまう。2位争いの集団につけながら周回を重ね、最終ラップに突入した時点で5番手を走っていたが、ここで雨が降ってくる。かなりの降雨だったが、赤旗は提示されず、ここがチャンスとばかり野左根はポジションを上げ、第2ヘアピンで2番手に浮上!そのままチェッカーフラッグを受け2位表彰台を獲得した。
日曜日は朝から雲が降りて来てしまい、視界不良でスケジュールがディレイ。周回数も短縮されたスケジュールが出るが、先に行われる予定だったJ-GP3クラス、ST600クラスの決勝が中止となっていたが、JSB1000クラスは奇跡的に天候が回復し、12周のレース2がドライコンディションで行われた。

レース2では、スタートで中須賀選手の先行を許し、2番手で1コーナーに入っていくと、オープニングラップから、そのテールをマークする。そしてファイナルコーナースタンド前の切り返しでインから前に出てトップに浮上する。しかし、翌周に同じ場所で抜き返されると、その差はジリジリと開く一方だった。実はスタート直後から違和感を感じていた野左根は、だましだまし走っていたが、その症状は悪くなる一方。周回数が短縮されたことも幸いし、ポジションをキープし2位でゴール。第5戦は両レースで2位表彰台を獲得する結果となった。

その後、再び天候が悪化し、予定されていたST1000クラスは残念ながら中止という判断がくだされている。予選の順位でハーフポイントが与えられることになり、羽田は10ポイントを加算し暫定ランキングトップをキープしている。
ST600クラスにフルエントリーしてる鈴木大空翔は前戦に続きトレーニング中のケガが回復していないため今回も欠場した。
ライダー・監督コメント
伊藤真一 チーム監督 Shinichi Ito Team Manager

「JSB1000クラスだけ2レースできましたが、今回もAstemo様を始め多くの皆さまのご協力のおかげで、マシンをアップデートして挑みました。レース1は、うまく機能せず野左根に苦しいレースをさせてしまいましたが、最終ラップに雨が降ってきたところで前に出てくれたので2位表彰台を獲得。その反省を生かしたレース2は、ヤマハファクトリーとトップ争いを繰り広げ、一時は前を走りましたが、違う問題が出てしまいましたが、こちらも2位で終えられました。バージョンアップも進んできましたし、次戦岡山では、今回よかった部分を伸ばして勝負していきたいと思っています。ST1000クラスは、決勝中止となってしまいました。羽田は、今回も調子がよかったので、いいレースをお見せできたはずだったので残念ですね。次戦、岡山もチーム一丸となって挑みます。引き続き応援よろしくお願いいたします」
JSB1000 RIDER #4 野左根航汰 KOHTA NOZANE

「レース1は思うようにペースを上げられず、最終ラップの雨で奇跡的に2位でゴールできラッキーな結果でした。レース2はその反省を活かして臨みましたが、天候の影響でウォームアップ走行がなく、さらに5分のフリー走行もハーフウエットで判断が難しい状況でした。レースが始まってみると昨日よりもしっかりペースを上げられるバイクに仕上がっていて“これなら中須賀選手と戦える”と思える手応えもありました。ところが序盤から問題が出てしまい危うく転びそうになるほどでした。周回ごとに状況は悪化していたのですが、12周という短いレースだったことで、序盤に作ったリードを活かしてなんとか2位を守り切れました。ただ、トラブルがなければもっといい戦いができたはずだと思うと、正直悔しさも残ります。一方で、エンジンのスピードをはじめ、バイクのよい部分やアップデートの成果も確認できたので、そこは大きな収穫でした。次の岡山は去年もいい感触で走れたサーキットですし、事前テストもあります。オートポリスからのいい流れをしっかり持ち込んで、次こそ移籍後初優勝を狙いたいと思います」
ST1000 RIDER #3 羽田太河 TAIGA HADA

「今回もマシンセットは基本変更せずに、乗り込んでタイムを上げていきました。公式予選も他のライダーに引っかからなければ、もっとタイムが出ていたのでポールポジションを獲れたかもしれません。ドライでもウエットでも調子がよかったので、レースをやりたかったですね。次戦、岡山も事前テストがあるので、チームのみんなと相談しながら、勝てるように取り組んでいきます。今回もチームを始め、関係者の皆さま、多くのサポートをありがとうございました」
ST1000 RIDER #5 荒川晃大 KOHTA ARAKAWA

「事前テストからマシンセットの流れは悪くなくて、今までよりいい形で終われていたのですが、レースウイークに入ってから一発のタイムが出せず、組み立て方があまりよくなかったのは反省点です。ただ、ベストタイムと変わらないタイムで走れていたので、レースで巻き返せればと思っていたので中止は残念でした。次回の岡山では、事前テストもありますし“一発のタイム”を意識して取り組んでいきたいと思います。しっかり流れを整えて、次につなげていきたいです」