【MFJ全日本ロードレース選手権シリーズ 第8戦 SUPERBIKE RACE in SUZUKA】渡辺一馬がST1000クラス3連覇を達成! 水野涼がダブルウインで最終戦を締めくくる!!

日程・場所

三重県・鈴鹿サーキット(1周=5.821km)
2023年10月14日(土):公式予選・JSB1000レース1
天候:晴れのち曇 コース:ドライ

15日(日):決勝・JSB1000レース2
天候:晴れ コース:ドライ

目次

渡辺一馬がST1000クラス3連覇を達成! 水野涼がダブルウインで最終戦を締めくくる!!

2023年シーズンのファイナルラウンドを迎えた全日本ロードレース選手権シリーズ。ST1000クラスでは、前戦岡山の劇的な展開で優勝を飾った渡辺一馬が3連覇をかけて挑んだ。そして国内最高峰のJSB1000クラスには、後半戦に入り調子を上げてきた水野涼、一矢を報いたい作本輝介がシーズン最終戦に臨んだ。


最終戦鈴鹿は、事前テストはなく木曜日の特別スポーツ走行からレースウイークが始まった。例年は11月上旬だが、今年は10月半ばということもあり、日中は汗ばむほどのコンディションとなった。

天気予報は週末に雨マークがあったが、JSB1000クラスのレース2終盤に雨がパラついた程度で、ドライコンディションでレースは行われた。
渡辺は、初日からセッションをリードしトップタイムをマークするが、2日目になるとライバルもタイムアップしてくる。予選は2分07秒台の戦いになることが確実視されていた。予選セッションでは、序盤に転倒があり赤旗中断。この時点で榎戶選手が2分07秒609でトップにつけていたが、セッション再開後にタイムアタックに入った渡辺は、2分07秒536をマークしコースレコードでポールポジションを獲得と、いい流れになっていたが、ライバルも速くレース展開は読める状況ではなかった。


運命の最終決戦が予定通り12時35分にスタートした。渡辺はやや出遅れ6番手で1コーナーに入っていき⻄ストレートで1台をかわすとオープニングラップを5番手で戻ってくる。序盤からトップ争いは激しく順位を入れかえ、それを渡辺は後ろから冷静に見ていた。そして3周目の日立Astemoシケインで國峰選手と榎戶選手が接触転倒。

タイトルを争う2人が離脱し、渡辺は3番手に浮上する。トップを走る荒川選手に対し、このままならば渡辺がタイトルを獲得できる状況だったが、背後からは高橋巧選手が迫ってくると4周目にかわされ4番手に後退し3連覇に⻩色信号が点灯してしまう。

渡辺をかわしていった高橋巧選手は、高橋裕紀選手をかわすと、8周目に荒川選手をかわしてトップに浮上する。この順位だと渡辺はタイトルを獲得することができない状況となってしまうが、レースは、さらにひと波乱起きる。

ヘアピンの進入で3番手を走っていた高橋裕紀選手が転倒。そのマシンがトップを走る高橋巧選手に接触し、2台とも転倒してしまう。このアクシデントで渡辺は2番手に浮上。そのまま2位でチェッカーフラッグを受けST1000クラス3連覇を決めた。


JSB1000クラスの水野は、初日、2日目と問題を抱えていたが、その状態でも上位につけることができており、問題がクリアになればいける手応えを感じていた。土曜日の公式予選では、その予想通りマシンセットが決まると2分05秒台に入れてくる。一方、作本はマシンをまとめきれていなかったが、2分06秒フラットまでタイムを縮め3列目に並んだ。


15周で争われたレース1。2列目5番手グリッドからスタートした水野は、1コーナーを6番手でクリアすると追い上げを開始。デグナーカーブ、ヘアピンの進入で、それぞれ1台をかわし4番手に上がると、130Rで津田選手をかわしヤマハファクトリーの2台に肉薄していく。

積極的な走りを魅せる水野は、130Rで中須賀選手をかわすと、日立Astemoシケインで岡本選手もかわしトップに浮上し、そのままレースをリードしていく。作本は7番手につけていたが、ペースを上げることができずにポジションを落としてしまっていた。


レースが動いたのは折り返しを過ぎ、終盤に入っていく10周目だった。⻄ストレートで中須賀選手にかわされると、11周目の1コーナーで岡本選手にもかわされ3番手に後退。

ヤマハファクトリーの2台がラストスパートに入るが、水野も必死についていく。前ではヤマハファクトリー同士のバトルが白熱。水野の背後には清成選手が迫り4台がトップグループを形成していた。


そしてファイナルラップに入ると前の2台は、さらにヒートアップ。最後の日立Astemoシケインで岡本選手と中須賀選手が接触転倒。水野がトップに立ち、最終コーナーを駆け下りチェッカー。水野にとっても、SI Racingにとっても悲願のJSB1000クラス初優勝を飾った。


17周で争われたレース2。

中須賀選手が欠場したためグリッドが一つ繰り上がり水野はフロントロウ3番手、作本は8番手グリッドからスタートした。


水野は好スタートを切りホールショットを奪うが、3コーナーで岡本選手にかわされる。作本もスタートを決め4番手につけていた。130Rでは名越選手にかわされ、オープニングラップは水野が3番手、作本が5番手で戻ってくる。

水野は、2周目の日立Astemoシケインで岡本選手をかわし2番手に上がると名越選手をマークすると、その直後にセーフティーカーが入る。5周を終えたところでセーフティーカーがピットに戻ると、6周目にリスタートが切られる。

このタイミングで水野は1コーナーで名越選手をかわしてトップに浮上しレースをリード。背後には岡本選手が迫り、トップ争いは水野と岡本選手の一騎打ちとなる。11周目の⻄ストレートで岡本選手が前に出ると、そのまま最終ラップに突入していく。水野はヘアピンで岡本選手のインに入るが、クロスラインとなる。そして最後の勝負ポイントとなる日立Astemoシケインでのブレーキング勝負となる。

水野は、岡本選手のインに入っていくが、ギリギリのラインでターンに入る。さらに奥まで突っ込んだ岡本選手はコースアウトし、シケインを通過せずにコースに復帰してゴールしたため一つ降順。水野が見事優勝を飾り、最終戦でダブルウインを達成した。

水野はシリーズランキング3位となり、作本は9位でチェッカーフラッグを受け、シリーズランキング8位となった。

ライダー・監督コメント

伊藤真一 チーム監督 Shinichi Ito Team Manager

2023年は、本当にいろいろなことがあり特に⻑く感じたシーズンになりましたが、最終戦まで戦うことができたのは、Astemo様を始め、応援してくださっているスポンサー、関係者、ファンの皆様のおかげです。今年は、チーム体制を一新し、一からのスタートとなった部分もありました。そんな中、チームのみんなで頑張ってきたことが、ST1000クラスの渡辺一馬が3連覇を達成!JSB1000クラスの水野も、積み重ねてきたことが最終戦に最高の形になりました。SI Racingとして目標にしていたHonda CBR1000RR-RでJSB1000クラスを勝つということを、4年越しで実現できたことは感無量です。作本は実力を出し切れなかったシーズンになったので、チームとしての反省点を検証し今後に生かしていければと思っています。来シーズンは、毎戦いいレースをしてJSB1000クラスでもタイトル争いができるように準備していきます。引き続き応援よろしくお願いいたします。

JSB1000 #4 作本輝介Kousuke Sakumoto

Race 1 予選9番手(タイム:2分06秒082)決勝:13位
Race 2 予選9番手(タイム:2分06秒740)決勝:9位
シリーズランキング:8位

今回は走り始めから、なかなかいいフィーリングにならず苦戦していました。レース1はマシンに問題が出てしまい完走するのが精一杯という状況でした。レース2に向けて、チームもいろいろ対策を考えてくれたのですが、2レースとも不甲斐ない結果になってしまいました。今シーズンは表彰台に立つことができず噛み合わないレースばかりとなってしまい応援くださっている皆様には、申し訳ない気持ちでいっぱいです。全日本は、今回が最終戦ですが、アジアロードレース選手権ASB1000クラスに代役参戦することになったので、いい結果を報告できるように頑張ります。

JSB1000 #36水野涼 Ryo Mizuno

Race 1 予選5番手(タイム:2分05秒426)決勝:優勝
Race 2 予選4番手(タイム:2分05秒494)決勝:優勝 シリーズランキング:3位

岡山に続きマシンの仕上がりはよかったのですが、初日はトラブルがあったにも関わらずタイムは出ていたので、トラブルを解消して、まとまればいいレースができるなという手応えがありました。金曜日も今ひとつの状態だったのですが、土曜日の予選になって、すごくいいセットアップにできて両レースに挑むことができました。今シーズンは、後半戦に入り自分自身でも調子はいいと思っていましたし、今回の最終戦はどちらかは優勝したかったですが、ダブルウインという最高の形でシーズンを締めくくることができて最高でした。久しぶりの優勝ですし、これもチームを始め応援してくださっている皆様のおかげです。ありがとうございました。

ST1000 #1渡辺一馬 Kazuma Watanabe

Race予選P.P.(タイム:2分07秒536)
決勝:2位

今回のレースだけでも、いろいろなことがありました。ST1000クラスで3連覇を達成させてもらいましたが、今までの、どんなシーズンよりも今年が一番つらく、苦しいシーズンでした。なかなか勝てないレースが続きましたし、勝てたと思ったら転倒したときもありました。レースだけではなくアクシデントもあり、本当に⻑く感じました。そんなシーズンをチャンピオンという形で終えることができたのは、支えてくれたチームのおかげですし、そのチームを創ってくれた伊藤真一監督に感謝申し上げます。チームみんなで3連覇を成し遂げられたことを誇りに思い、みんなで喜びたいと思います。

ST600 #31ブラパ・ワンムーン

欠場
シリーズランキング:19位

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