日程・場所
岡山県・岡山国際サーキット(1周=3.747km)
2023年9月23日(土):公式予選
天候:晴れのち曇り コース:ドライ
24日(日):決勝
天候:晴れ コース:ドライ
劇的な展開で渡辺一馬が勝利!水野涼は今シーズン4度目の3位表彰台!
全日本ロードレース選手権は、シリーズ第7戦を岡山県・岡山国際サーキットで迎えた。2023年シーズンは今回の岡山ラウンドを含め早くも残り2戦となった。JSB1000クラスも日曜日に1レースのみが行われ、晴れの国・岡山らしい好天のもと各クラスとも熱い戦いが繰り広げられた。
JSB1000クラスは、水野涼が事前公開テストから順調にマシンセットを進めることができていたが、作本輝介の方は、伸び悩む状態となっていた。ST1000の渡辺一馬は、オートポリスのレース2でトップを走りながら転倒を喫してしまいクラス3連覇の可能性が遠ざかってしまっていたが、昨年も優勝している岡山で巻き返したいところだった。ST600のブラパ・ワンムーンは、事前公開テストで初めて岡山を走ったが、ST600マシンにも慣れ、タイムも走る度に上がって来ていた。
レースウイーク初日となった金曜日は、雨がパラつくときもあったがドライコンディションのもと各クラスとも2セッションが行われた。JSB1000の水野は、事前テストからの流れで1分31秒478をマークし3番手につけていたが、作本は、いろいろ試すものの、いい方向にいかずタイムも出なかったため、公式予選からシーズン前半戦のベースセットに戻すことを決断する。
JSB1000クラスの予選はノックアウト方式で行われ、まず全車が走行するQ1が35分間で行われた。水野は1分31秒269をマークし4番手、作本もレースウイーク中に異例のビッグチェンジをしたが、1分31秒774までタイムを縮め7番手で共にQ2に進出。15分間のQ2で水野は、1分31秒113と、さらにタイムを更新し4番手。作本もマシンセットを確認しながら7番手につけた。ST1000の渡辺は、3番手につけフロントロウを確保。ST600のブラパは17番手につけ今回もポイント獲得を狙っていた。
24周で争われたJSB1000クラスの決勝。水野は好スタートを見せ3番手につけるが、作本は、やや出遅れ8番手となっていた。2周目に一つポジションを上げ7番手を走っていた作本だったが、マシンに問題が出て来てしまい8周目のヘアピンで転倒を喫してしまう。すぐに再スタートするものの、ほぼ最後尾までポジションを落としてしまう。そこからマシンの状態を見ながら徐々に追い上げていった作本は、13位でゴールし4ポイントを加算した。一方、水野は3番手を後続との差を見ながら自己ベスト付近のタイムで終始走行。レース終盤は後続を引き離し、3位でゴール。今シーズン4度目の表彰台を獲得した。
劇的な展開となったST1000クラス。予想通りハイペースなトップ争いとなり、渡辺はトップグループの後方に何とかつけ苦しいレースとなっていた。
レース中盤が過ぎるとトップ2台が12周目のアトウッドカーブ進入で相次いで転倒。3番手に浮上した渡辺だったが、前の2台をかわす余力はなかったが、チャンスがあるはずと必死に食らいついていった。そして迎えたファイナルラップ。このまま3位ゴールかと渡辺自身も思っていたが、レッドマンコーナー(通称ダブルヘアピン1個目)進入で前の2台が接触転倒。トップに立った渡辺は、そのままチェッカーフラッグを受け今シーズン初優勝を飾った。渡辺は、この勝利でランキングトップと3ポイント差となり、3連覇の可能性を大きく引き寄せる結果となった。
ST600のブラパは、赤旗中断のあった荒れたレースを戦い抜き12位でゴール。前戦に続きポイントを獲得し、2023年の全日本参戦を終えた。
ライダー・監督コメント
伊藤真一 チーム監督 Shinichi Ito Team Manager
JSB1000の水野は現状ではベストとなる走りをしてくれて3位表彰台を獲得。今シーズン積み重ねてきたことがまとまってきているので、事前テストから調子はよくHonda勢トップとなる成績を残してくれました。まだまだ速くなるので最終戦はヤマハファクトリーに追いつけるように取り組んでいきます。
作本は、レース中に問題が出てしまい転倒しましたが、再スタートして最後まで走り切ってくれたので最終戦鈴鹿でいいレースができるようにバックアップしていきます。ST1000の渡辺は、前回と全く違う展開になりましたが優勝したことで3年連続チャンピオンの可能性を引き寄せる岡山ラウンドになりました。最終戦鈴鹿で、しっかりタイトルをつかめるようにチーム一丸となって挑みます。ブラパは前回に続いてポイントを獲得しましたが、実力で上がって来ていましたし成⻑を感じるレースになりました。
この後は、アジアタレントカップに出場するので今年の全日本は今回が最後になります。これからの健闘を期待します。スポンサーの皆さまを始め、応援してくださっている皆さま、いつもありがとうございます。次戦は早くも最終戦になります。今シーズンの集大成となるレースをしたいと思っていますので、引き続き応援よろしくお願いいたします。
JSB1000 #4 作本輝介Kousuke Sakumoto
Race 予選7番手(タイム:1分32秒163)
決勝:13位
事前テストの走り出しはよかったのですが、そこから足踏みしてしまったので、レースウイークは何とかよくしようと、いろいろトライしましたし、チームもボクの要求に応えようと努力してくれましたが、思うようなフィーリングが得られなかったため、予選でもともとあったベースセットに戻しました。そこからアジャストしていき、少しずつよくなって決勝を迎えたのですが、マシンに問題が出てしまい苦しいレースになってしまいました。今シーズンは悔しいレースが続いているので、次戦鈴鹿は表彰台に戻れるようにチームと共にしっかり準備をして、いい形で締めくくれるように挑みます。
JSB1000 #36水野涼 Ryo Mizuno
Race 予選4番手(タイム:1分31秒113)
決勝:3位
事前テストからヤマハファクトリーの2台に追いつくことはペース的に難しかったですし、自分たちの持っているペースで狙えるのは3位表彰台だったので、それが実現できてよかったと思います。レース中も自己ベスト付近で周回することができたので内容もよかったですね。後半戦に入り津田選手も調子を上げてきていますし、事前テストから振り返ると、この順位で終えられたことは素直にうれしいです。現状でベストは尽くせましたが、レースでは負けていることに変わりはないので、この悔しい思いを最終戦鈴鹿にぶつけます。
ST1000 #1渡辺一馬 Kazuma Watanabe
Race 予選3番手(タイム:1分32秒456)
決勝:1位
前戦オートポリスのレース2とは全く逆のレースになりました。前回もこんなレースが自分のレース人生にあるんだなと思いましたが、今回の方が、その思いは強いですね。正直、岡山ラウンドは勝てるスピードはありませんでしたし、レース中はちょっと問題が出てしまい集団の後ろで仕掛けられずに3位で終わると思っていました。最終ラップは、前の2人がヒートアップしているのが見えたので近くにいればチャンスがあるかと思ったので、離されないようにプッシュしていましたが、まさかの結末でした。これでタイトル争いもおもしろくなったので、最終戦鈴鹿はチームと共に持てる力を全て出して笑顔で終われるように全力を尽くしたいと思っています。
ST600 #31ブラパ・ワンムーン Burupa Wanmoon
Race 予選17番手(タイム:1分36秒601)
決勝:12位
開幕戦もてぎで初めてST600のマシンを乗った頃に比べれば、オートポリス、そして今回の岡山とマシンに合ったライディングができるようになってきました。これも伊藤監督を始めAstemo Honda Dream SI Racingの皆さんがサポートしてくださったおかげです。最終戦鈴鹿はアジアタレントカップと重なっているため、全日本ST600への参戦は今回がひとまず最後になります。全日本ST600で学んだことを生かして、もっとレーシングライダーとして成⻑していこうと思っています。これからも応援よろしくお願いいたします。