【2026 FIM 世界耐久選手権“コカ・コーラ“鈴鹿8時間耐久ロードレース 第47回大会】速さを見せるも悔しいレース序盤のアクシデント

目次

日程・場所

三重県・鈴鹿サーキット(1周=5.821km)

2026年7月3日(金):公式予選

4日(土):フリープラクティス・TOP10トライアル(中止)

5日(日):8時間耐久 決勝

観客動員数 59,000人(3日間合計)

#17 Astemo Pro Honda SI Racing

野左根航汰 / 羽田太河 / 荒川晃大

予選:7番手(Best Time:2分05秒147、Ave. Time:2分05秒323)

TOP10トライアル:中止

決勝:20位(EWCクラス:15位)

レース概要

2026年の鈴鹿8耐が7月3日(金)~5日(日)に開催された。例年より1カ月も早い時期となり、梅雨の真っ只中ということもあり雨中の決勝レースとなった。

今年のAstemo Pro Honda SI Racingは、全日本JSB1000クラスを戦う野左根航汰を中心に、チーム2年目の荒川晃大と羽田太河というST1000コンビの3人で鈴鹿8耐に挑むことを早い段階で決定。全日本ロードレース選手権のチームメイトだけにチームワークもよく、事前テストから順調に準備を進めていた。

レースウイークは、火曜日と水曜日にテストセッションがあり、初日はドライ、2日目の午後はウエットとなり、異なるコンディションでも確認ができていた。

金曜日の公式予選では、優勝候補の最右翼であるHonda HRCを徹底マーク。ライダーブルーの野左根は、2分05秒147、ライダーイエローの羽田は、2分05秒500、ライダーレッドの荒川は、2分06秒601と、それぞれ好タイムをマーク。野左根は、130Rでギア抜けがあってのベストタイムだっただけに、それがなければ2分04秒台も十分狙えただろう。2人のベストタイムの合算では、2分05秒323となり、暫定7番手につけトップ10トライアルに進出した。

しかし、土曜日のトップ10トライアル開始直前に雨が降ってきてしまい中止され、金曜日の公式予選の順位がグリッドとなった。その前に、金曜日の予選後に行われたナイトセッションで、荒川がアクシデントに遭い転倒を喫してしまい両足を痛めてしまう。幸い診断の結果、骨折はなく日曜日朝のウォームアップ走行を走って確認することになっていた。

日曜日は天気予報通り雨模様となり、朝のウォームアップ走行でマシンセットを確認。その後、レースがスタートするころには、ほとんど雨は止んでいたが路面はウエット。雨が降らなければ路面は乾き、レインタイヤはダメージを受けやすい状態になることが予想された。

カウントダウンからライダーがマシンに駆け寄るル・マン式スタートで今年も鈴鹿8耐が始まった。好スタートを切った野左根は、3番手につけてオープニングラップを終えると、ヤマハファクトリーのジャック・ミラー選手にかわされるものの、すぐに抜き返しポジションをキープ。トップ2台は、逃げていくものの3番手を走行していた。その後、周回を重ねると背後にBMWワークスのマイケル・ファン・デル・マーク選手、YART Yamaha Official EWC Teamのカレル・ハニカ選手、F.C.C. TSR Honda Franceのアラン・テシェ選手のEWCトップチームが迫って来る。13周目にマイケル選手にかわされ4番手にポジションを落とすがレースはまだ序盤。落ち着いて走行を続けていたが、14周目の130Rで他車の撒いたオイルに乗って転倒を喫してしまう。すぐにマシンを起こし、再スタートを切るがマシンにダメージがあったため、緊急ピットイン。

野左根は悔しさをにじませながら、マシンをチームスタッフに託した。チームスタッフは素早くマシンを修復し、羽田がコースイン。荒川、野左根とバトンをつなぎ、ライダー3人もトップと遜色ないペースで周回を重ね、チームスタッフもミスのないピットワークで応えた。セーフティーカーが3回入るなど、大荒れの展開となったが、20位まで追い上げてチェッカーフラッグを受けた。


ライダー・監督コメント

伊藤真一 チーム監督 Shinichi Ito Team Manager

「皆様のご支援のおかげで、今年も鈴鹿8耐に参戦することができました。本当にありがとうございました。
昨年の悔しさを晴らすため、チーム一丸となって万全の準備をして臨みましたが、レース序盤に他車のオイルによるアクシデントがあり、思い描いていた展開にはなりませんでした。それでもライダー3人が最後まで諦めずに走り続け、トップに引けを取らないペースで追い上げてくれました。結果は悔しいものとなりましたが、ピットワークを含めたチーム全体のパフォーマンスは非常に高いレベルにあったことを確認でき、表彰台を十分に狙える力はあったと感じています。もちろん、この世界は結果がすべてです。“もしも”はありませんが、チームとして確かな成長を感じられたレースでもありました。鈴鹿8耐には30年以上携わっていますが、改めて簡単には勝てないレースだと実感しました。それでも、今回見つかった課題を一つずつ改善し、さらに強いチームをつくっていきたいと思います。優勝したHRCは勝つための理想的なチームであり、目標とすべき存在です。その背中を追いかけながら、私たちもさらにレベルアップしていきます。改めまして、支えてくださったスポンサーの皆様、関係者の皆様、そして最後まで温かいご声援を送ってくださったファンの皆様に心より感謝申し上げます」

野左根 航汰 KOHTA NOZANE

「今回は、ライダー3人ともペースはよかったと思いますし、ドライコンディションでは特に手応えを感じていました。チームワークやピットワークも非常によく、レースまで戦略もほぼ想定どおりに進めることができていました。ただ、レース序盤では前半区間でオイルが出てしまい、ペースの上げ方が非常に難しいスティントになりました。オイルフラッグや電光掲示板を確認していましたが、オイル表示がイエローフラッグに切り替わったタイミングでは、まさかあれほどの状況とは思いませんでした。前を走っていたマイケル選手も転倒しそうになっていましたし、路面が濡れていたことでオイルとの見分けも難しく、本当に不運な出来事だったと思います。それでも、その後はライダー全員が安定したアベレージで走り、ピットワークもノーミスでした。だからこそ、一瞬のミスやアクシデントが結果を大きく左右するのが鈴鹿8耐の難しさだと改めて感じました。チームとしても、この大会に向けて積み重ねてきた成果で全体のレベルは確実に上がっています。結果には結び付きませんでしたが、得られたものは大きかったと思います。最後まで諦めずに完璧な仕事をしてくださったチーム、そして応援してくださった皆さま、ありがとうございました」

羽田 太河 TAIGA HADA

「事前テストから順調に進んでいましたし、レースが始まってからもペースは悪くありませんでした。それだけに、序盤の不運なアクシデントは本当に残念でしたが、あれはレースなので仕方ない部分もあったと思います。3人ともいいペースがありましたし、自分自身も身体の状態は万全はありませんでしたが、アベレージはチームの中で一番よかったので、晴れでレースをしてみたかったという思いはあります。決勝は雨になりましたが、ペースは悪くなかったと思います。大きなアクシデントがなければ、最低でもトップ6、さらには表彰台争いも十分狙える力はあったと感じています。ピットワークも早かったですし、チーム全体の成長も感じることができました。今回は思うような結果には届きませんでしたが、この経験を次につなげていきたいと思います。多くの応援ありがとうございました」


荒川 晃大 KOHTA ARAKAWA

「レースウイークを通して振り返ると、転倒やアクシデントの多い大会でした。僕自身も転倒がありましたが、大きなケガにはならず、最後まで走り切ることができたのはよかったと思います。決勝でも他車のオイルに乗るアクシデントがありましたが、それを差し引いてもチーム全体のペースは良く、特に雨の難しいコンディションの中でもしっかり戦えたことは大きな収穫だったと思います。結果だけを見れば満足できるものではありませんが、チームとして確実に力がついていることを実感できました。ピット作業も本当に早く、ライダーだけでなくチーム全体のレベルが上がっていることを感じられたレースウイークだったと思います。悔しさは残りますが、この経験は必ず今後につながるはずです。ここまで支えてくれたチームスタッフや関係者の皆さま、そして応援してくださった皆さんに感謝しています。ありがとうございました」

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