日程・場所
岡山県・岡山国際サーキット(1周=3.747km)
2022年9月17日(土):公式予選 天候:曇り コース:ドライ
2022年9月18日(日):決勝 天候:晴れ/曇り・雨 コース:ドライ・ウェット
ST1000クラスで2連覇を狙う渡辺一馬にとっては、重要な一戦を制す!
全日本ロードレース選手権は、シリーズ第7戦を迎えた。
JSB1000クラスは、最終戦が史上初めて3レース制となっているが、他のクラスは、今回を含め残り2戦。
ST1000クラスで2連覇を狙う渡辺一馬にとっては、重要な一戦となる。
その渡辺がポイントで追っている國峰選手は、事前テストから速さを見せており、常にトップタイムをマークしていた。
そのライバルに対抗するために電子制御や足回りをAstemoと共に試行錯誤しながらセットアップしていった。
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JSB1000クラスの作本輝介は、新型のフロントサスペンションを投入。
得意としているコースでいい結果を出そうとマシンセットを進めた。
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ST600のムクラダ・サラプーチは、岡山を走るのは事前テストが初めてだったが、調子はよく順調にタイムを縮めていた。
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レースウィークは真夏のような暑さに!
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レースウイークは、台風14号が接近していたこともあり、9月とは思えないほどの暑さに見舞われた。
金曜日、土曜日は50度近くまで路面温度も上がり真夏のようなコンディションとなった。
JSB1000クラスの公式予選は、Q1のトップ10がQ2に進出できるノックアウト方式で行われ、作本はマシンセットを進めながらQ1で1分31秒685を記録し4番手につけると、Q2では、1分31秒416までタイムを縮めるものの、ポジションは変わらず4番手となった。
ST1000クラスの渡辺は、セッション序盤にタイムアタックを行い、その後は、マシンセットを続け、いいフィーリングを得ていた。ST600クラスのムクラダは、タイムアタックのタイミングをうまく取ることができなかったが、コースレコードを上回るタイムを記録し14番手につけた。
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大型の台風14号が近づいてきたため、早く帰途につけるように各クラスのレースは、周回数が短縮されて行われることになった。
JSB1000クラスは、24周が20周に減算されてレースがスタート。
作本は好スタートを見せ2番手で1コーナーに入っていき、トップを走る中須賀選手をただ一人追っていく。
だが、ジリジリと離されてしまい単独2番手を走っていた。レース終盤になると序盤に中須賀選手を追うためにタイヤを酷使してしまったため、ペースを思うように上げられなくなってくる。
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背後には榎戶選手が迫り、最終ラップの勝負となる。最後の勝負所とも言えるダブルヘアピン1個目の進入で榎戶選手がインを突いてくるが、そのまま転倒。作本は、2位でチェッカーフラッグを受けている。
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ST1000クラスも18周から15周に減算されたレースが行われた。渡辺は、スタートは悪くなかったが1コーナーで強引に入ってきたライダーと接触しそうになり、これを回避。
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4番手につけ前を追っていく。予想通り國峰選手がレースをリード。3周目のヘアピンでは、渡辺の前を走っていたライダーが転倒。國峰選手がややリードし、高橋選手と渡辺がテールtoノーズの状態で追っていく。
なかなか高橋選手をかわすことができなかった渡辺だったが、バックマーカーが出始めたところで、高橋選手がひっかかったタイミングを見逃さず2番手に浮上。
トップを走る國峰選手を追うと、一気にその差を詰めていく。
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そして残り2周を切った14周目の1コーナーで渡辺がトップに浮上!そのままチェッカーフラッグを受け見事3連勝を飾った。ポイントランキングでも國峰選手と同ポイントのトップとなり、最終戦鈴鹿決戦に挑むことになった。
ST600クラスは、赤旗が2度出る波乱の展開となった。
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2度目の赤旗が降雨によるもので、ウエットコンディションのもと10周で争われた。ムクラダは、マシンに違和感を感じコースにとどまるのが精一杯という状態だったが何とかレースを走り切ったが、不完全燃焼な岡山ラウンドとなってしまう。
ライダー・監督コメント
伊藤真一 チーム監督Shinichi Ito Team Manager
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今回はレースに向けて、いろいろ準備してきたことが、うまく機能しました。
特に渡辺は、うまく走ってくれましたし、チャンピオンらしいいいレースをしてくれました。
これで最終戦は前でゴールすれば2連覇達成なので、チームとしても全力でバックアップしていきます。
作本は、鈴鹿8耐から、いろいろトライしてきたことが、形になってきた感じです。まだまだ課題は多いですが、作本自身もライダーとして成⻑して欲しいですし、JSB1000のエースとして最終戦も頑張ってもらいます。
ムクラダは、このレースウイークは調子がよくトップ争いに加わることも可能かと思っていましたが、決勝は残念な結果となりました。実力はあるので最終戦でいい結果を残して来年につなげる走りをして欲しいですね
JSB1000 #27 作本輝介 Kousuke Sakumoto
予選4番手(タイム:1分31秒416)
決勝:2位
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序盤だけでも中須賀選手とバトルができればと全力で走っていました。
ウイーク通してチームと共にトライして、少しずつですがマシンはよくなってきていました。
一発タイムは出なかったのですが、アベレージは上がってきていたので協力してくださった皆さんに感謝しています。
序盤に中須賀選手についていくためにタイヤを使ってしまったことで、終盤は何度かフロントから転倒しそうになった場面もあり抑えながらのレースになってしまいました。目標としているレベルには、まだまだと実感しました。最終戦は、3レースありますし、優勝目指して全力を尽くします。
St1000 #1渡辺一馬 Kazuma Watanabe
予選2番手(タイム:1分32秒271)
決勝:優勝
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今シーズンは、これまではあまりセッティングを大きく振らなかったのですが、今回は事前テストから國峰選手の調子がよかったので、対向するためには、こちらも、もっとレベルを上げなければ勝負ができない状態でした。
そのために車体も電子制御もいろいろ試した中で、土曜日の予選でようやくいい状態が見つかりました。それでも
予選でやっとという状態でしたし勝てるかどうか分かりませんでしたが、チームがしっかりマシンを仕上げてくれたのでレースはいい状態で走ることができましたし、この1勝はすごく大きいですね。
最終戦はとにかく勝つことだけを考えます。
St600 #39ムクラダ・サラプーチ
予選14番手(タイム:1分35秒986)
決勝:28位
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事前テストから調子はよく、岡山国際サーキットを攻略していきました。
チームの助けもあり、マシンセットもよくなってきていました。
公式予選の戦い方を伊藤監督に教えられ、次戦では、そのアドバイスを実行しようと思っています。
レースは、雨が降ってしまい、難しいコンディションになり、さらにマシンに違和感を感じ転ばないように走るのが精一杯でした。次戦は、早くも最終戦なので、いい結果を残せるように頑張ります。