日程・場所
2025年10月4日(土):公式予選 天候:雨 コース:ウエット
5日(日):決勝 天候:曇り コース:ドライ
岡山県・岡山国際サーキット(1周=3.747km)
観客動員数:5,910人(2日間合計)
JSB1000
4 野左根航汰
予選6番手(タイム:1分45秒468) 決勝:2位
ST1000
3 羽田太河
予選2番手(タイム:1分47秒293) 決勝:優勝
5 荒川晃大
予選5番手(タイム:1分48秒412) 決勝:DNF
ST600
12 鈴木大空翔
予選18番手(タイム:1分52秒798) 決勝:12位
レース概要

全日本ロードレース選手権は、今回の岡山ラウンドを含め残り2戦。2025年シーズンは、早くも大詰めとなってきた。
レースウイークは、金曜日、土曜日と雨に見舞われウエットコンディションでの走行となったが、日曜日は、決勝のみがドライコンディションとなった。
前週に行われた事前公開テストは、初日、2日目とドライコンディション、3日目がウエットコンディションだったため、2日目、3日目の参加となった羽田太河以外は、ウエットを走っておらず、データ不足は否めなかった。
JSB1000クラスの野左根航汰は、初日の2本目の走行で転倒。バックストレートからヘアピンへのブレーキングでのアクシデントだったが、大きなケガがなかったのは不幸中の幸いだった。
ただ、メインカーが大破してしまい、チームは修復に追われた。今回は、JSB1000クラスも日曜日の1レースのみ。公式予選は、シーズン唯一となるノックアウト方式で行われた。
野左根は、前日の転倒の影響で、まずはマシンの確認から行わなければならなかったこともあり、Q1はギリギリ10番手に残りQ2に進出。Q2では1分45秒468までタイムを縮め6番手と、何とか2列目を確保していた。

ST1000クラスの羽田太河は、事前テストで雨を走っており、ドライでもウエットでも自信をもって走れる体制を整えていた。
レースウイークで初めてウエットを走った荒川も好調で初日は4番手タイムをマーク。予選に向けて流れは悪くなかった。
公式予選では、セッション終盤にアタックした羽田が2番手、荒川は5番手につけ、フロントロウ、セカンドロウでそれぞれ真ん中に並ぶグリッドとなった。
今回がケガからの復帰戦となったST600クラスの鈴木大空翔は、事前テストから身体の状態を見ながら徐々にタイムアップ。
後半戦から担当に、元全日本トップライダーであり、現在はレーシングサービス業を営んでいる武石伸也氏がつき、ハード面、メンタル面の両方からバックアップを受け、さらなる成長に期待したいところ。
予選はグリップしない路面に苦戦し、18番手となったが、決勝での巻き返しを狙っていた。
日曜日は、朝方まで雨が残ってしまい、朝のウォームアップ走行はウエットパッチの残る不安定なコンディションだった。
この難しいコンディションの中、ST1000では荒川がトップタイムをマーク。羽田も4番手につけ決勝に向けて期待の高まる結果となっていた。

その後、岡山国際サーキット上空は青空が広がり、気温も上がっていった。
午後一番に行われたST1000クラスのレースは、羽田が好スタートを切りトップに立つとレースをリード。
これに荒川も続きたいところだったが、オープニングラップのヘアピン進入でラインが交錯した選手と接触転倒。1周もできずに悔しいリタイアとなってしまう。
トップを走る羽田は、独走態勢に入っていたが、レース終盤に入るとリアブレーキに問題が出てしまい、背後に後続が迫ってくる。
何とかペースをキープしていた羽田に対し、どこで仕掛けて来るか? 残り3周を切ったところで後続がアトウッドで転倒。
これで楽になった羽田は、そのままトップでゴール。今シーズン3勝目を挙げ、シリーズチャンピオンに前進した。

JSB1000クラスは、24周先のチェッカーフラッグを目指してスタート。
得意のスタートダッシュは今回は決まらず、オープニングラップを4番手で終えた野左根は、4周目に水野選手をかわし、長島選手の背後につける。
この辺りから、トップの中須賀選手が逃げていく。これを追いたい野左根だったが、長島選手をかわせず、何度も抜きつ抜かれつを繰り返していく。
完全に一騎打ちの2位争いとなったが、レース終盤に前に出ると執拗に迫り来る長島選手を抑えていく。
残り2周を切った23周目にMCシケインで転倒があり赤旗が提示され、22周終了時でレースは成立。
2位表彰台を獲得し、暫定シリーズランキングでも2番手に浮上した。

ST600クラスの鈴木は、レース序盤はペースを上げられなかったが、徐々にタイムを上げるとポジションアップ。
12位でチェッカーフラッグを受け4ポイントを加算している。
次戦、全日本ロードレース選手権第7戦は、10月25日(土)、26日(日)に三重県・鈴鹿サーキットで行われます。
ライダー・監督コメント
伊藤真一 チーム監督 Shinichi Ito Team Manager

「決勝朝のトラブルで少しバタつきましたが、チームが懸命に修復してくれたおかげで決勝には間に合いました。雨の影響で転倒もあり、万全な状態とは言えませんでしたが、野左根が粘り強く走り切って2位をもぎ取ってくれたのは本当によく頑張ってくれたと思います。羽田は、トラブルを抱えながらもライダー的に余裕があったので勝ってくれましたが、しっかり対策をして最終戦に臨みます。荒川も調子がよく、決勝朝のウォームアップ走行でトップタイムをマークするなど期待していましたが、少し行き過ぎた部分もあって接触転倒は残念でした。ただ、まだ発展途上のライダーですし、あの勢いは今後の成長につながると思います。ST600の鈴木は、ケガからの復帰戦で頑張ったと思いますが、我々の目指すところは、まだまだ先にあります。今回から武石氏がサポートとして入り、ハード面・メンタル面ともに支えてくれているので、さらなる成長に期待したいですね。次戦は、早くも最終戦鈴鹿になります。チーム一丸となって、よりよい結果を目指したいと思います。今回もAstemo様を始め、多くの皆様のご協力・応援が力になりました。引き続きよろしくお願い申し上げます」
JSB1000 RIDER #4 野左根航汰 KOHTA NOZANE

「岡山は得意意識のあるコースで、去年もタイム・内容ともによかったので、優勝を目指して自信を持ってウイークに入りました。ただ、事前テストから中須賀選手が速く、それをターゲットに頑張っていましたが、なかなか追いつけませんでした。金曜・土曜と雨のコンディションで、金曜日には大きな転倒をしてしまい、メインマシンを壊してしまう場面もありましたが、チームが懸命に修復してくれました。決勝朝のトラブルにも素早く対応してもらい、結果的に優勝は逃しましたが、2位でしっかり走り切れたのはよかったと思います。それでも、優勝までにはまだ1歩も2歩も足りないと痛感しました。最終戦鈴鹿で優勝を目指し、チームとともに笑顔でシーズンを締めくくれるように全力で挑みます」
ST1000 RIDER #3 羽田太河 TAIGA HADA

「レース中は状況を確認しながら走っていました。中盤で追いつかれた後、バックマーカーに少し引っかかる場面もあって、そこで差が詰まって一騎打ちになるなと思っていました。残り5周くらいのところでリアブレーキに少しトラブルが出てしまい、思うようにペースを上げられなかったのですが“このペースを維持できれば勝てる”と信じて走り続けました。ラスト2周で後ろのライダーが転倒して差が開いたので、そこからは少し余裕を持って走れました。ウイーク全体を通しても特に焦ることなく、落ち着いてレースを進められたと思います。最終戦も勝つことだけを考えて挑みます! 引き続き応援よろしくお願いいたします」
ST1000 RIDER #5 荒川晃大 KOHTA ARAKAWA

「レースウイークを通して雨のコンディションが続いて、決勝だけがドライになりました。出ていってすぐのフィーリングはよかったのですが、転倒という形で終わってしまい、正直レースとしては何もできずに終わってしまいました。応援してくださった皆さまに結果で応えられず悔しいレースになってしまいました。それでも確実によくなってきている実感はありますし、次はしっかり結果を求めて、結果を出して、笑顔で終われるようにしたいと思います」
ST600 RIDER #12 鈴木大空翔 TAKUTO SUZUKI

「ぶっつけのドライレースでしたが、思い切ってマシンセットを大きく変えて臨みました。結果的にその方向性がよくて、手応えのある走りができました。レース序盤はまだフィーリングがつかめず、ペースを上げきれなかったんですが、後半にかけてだんだんつかめてきて、自分のリズムで攻められるようになりました。レース自体はまだ今季2回目ですが、テストを含めても今年の中では一番いい走りができたと思います。自分の中でもだいぶ気持ちよく走れるようになってきたので、次の鈴鹿ではさらにいい走りでシーズンを締めくくりたいです」