日程・場所
2025年9月13日(土):公式予選・JSB1000レース1 天候:曇りのち雨 コース:ドライ
14日(日):決勝 天候:雨のち曇り コース:ドライ
大分県・オートポリス(1周=4.674km)
観客動員数:8,600人(2日間合計)
ST1000
#34 ナカリン・アティラットブワパット
予選6番手(タイム:1分52秒135)決勝:中止
J-GP3
#15 タナチャット・プラトゥムトーン
予選15番手(タイム:2分00秒572)決勝:中止
#30 ノップルットポン・ブンブラウェット
予選18番手(タイム:2分01秒688)決勝:中止
#31 テーシン・インアパイ
予選17番手(タイム:2分01秒152)決勝:中止
#34 戸高倫太郎
予選16番手(タイム:2分00秒650)決勝:中止
レース概要
ST1000クラスのナカリン・アティラットブワパット(チップ)は、前戦のもてぎはMoto2代役参戦が急遽決定したため欠場となり今ラウンドより復帰した。MotoGPハンガリーラウンド、アジアロードレース選手権(ARRC)インドネシアラウンドを終え、すぐにオートポリスの事前テストに参加するハードスケジュールで今回のレースを迎えていた。
チップにとってオートポリスの走行は実に2013年のARRC以来12年振りであり、1000ccのマシンを駆っての走行はもちろん初めてのことである。テストでは、チャレンジングなこのコースを単独で走りコースを熟知することを最初の目標としていた。
レースウイークに入ってもサーキットは不安定な天候に見舞われたが、初日はドライコンディションでの走行ができた。チップは他のライダーをマークし、ライディングを研究した。
土曜日もST1000クラスの公式予選で一時降雨があったものの、基本ドライでタイムアタックができた。公式予選ではチームメイトの羽田の後ろにつきタイムを出し、6番手とセカンドロウを確保した。

J-GP3クラスではアジアタレントカップ(ATC)に参戦しているタナチャット・プラトゥムトーン(オースティン)とノップルットポン・ブンプラウェット(ウム)は、今回のオートポリスラウンドが全日本ロードレース参戦の最後となるだけに、いいレースをして締めくくりたいところだったのだが…。
初日は、戸田が2分00秒995で13番手。オースティンが2分00秒962で14番手、ブライトが2分01秒453で17番手、ウムが2分01秒856で19番手につけた。ウムは、前戦もてぎの予選で他車と接触して足を痛めており、様子を見ながらペースを上げていった。
公式予選では、各ライダーは速いライダーをマークしてタイムアップを目指したが、思うようにタイムアップできず、オースティンが15番手、戸高が16番手、ブライトが17番手、ウムが18番手という結果で予選を終えた。
迎えた決勝日は、朝から雲がオートポリスを覆い、視界不良のためスケジュールがディレイ。周回数を短縮して行う方向で公式通知が出るが、この日最初に行われる予定だったJ-GP3クラスの決勝中止が発表される。その後、ST600クラスも中止になったが、JSB1000クラスのレース2は何とドライコンディションで開催された。
そして、この日最後のレースとなる予定だったST1000クラスは、5分のウォームアップ走行が始まる直前に大粒の雨が落ちて来て路面はウエットに。さらに再び雲が降りてくると視界不良となってしまったため、残念ながらST1000クラスも決勝中止がアナウンスされてしまった。
ライダー・監督コメント
伊藤真一 チーム監督 Shinichi Ito Team Manager

J-GP3クラスとST1000クラスのレースが中止になってしまい本当に残念でした。特にJ-GP3はウムとオースティンにとって最後の全日本参戦だったので、不完全燃焼のままシーズンを終わらざるを得なかったことを悔しく思います。ウムとオースティンは再来週にMotoGPもてぎで併催されるATCがあるので、レースは異なるものの日本での活躍に期待しています。次戦以降は、ブライトと戸高の2人で参戦が続いていきますので、しっかり結果を出せるよう引き続きバックアップしていきます。ナカリンはハードスケジュールにも関わらず、オートポリスではよい走りを披露していましたので、決勝を楽しみにしていました。今回は天気に翻弄されるという仕方ない部分もありましたが、気持ちを切り替えて、岡山ラウンドからまた挑戦してまいります。
ST1000 RIDER #34 ナカリン・アティラットブワパット
“CHIP” NAKARIN ATIRATPHUVAPAT

オートポリスを走るのは2013年以来、実に12年ぶりでした。テストではコースを思い出すのにとても苦労し、レイアウトを覚えるのが精一杯でした。速いライダーについて走ればタイムは上がりますが、本当の意味でコースを攻略できないと思い、あえて単独走行を重ねました。レースウイークでも同じように単独で走る時間を大切にしましたが、予選では前のライダーに付いていくことで6番手以内に入る走りもでき、自分としては収穫の多い週末でした。天候は、雨の可能性があると言われていました。ドライではコースを走り慣れているライダーに敵わない部分もありますが、僕は雨を得意としているので、ウエットやハーフウエットなら十分にチャンスがあると思っていました。だからこそ、レースが中止になってしまったのはとても残念です。残り2戦あるので、今回得た経験を活かして、最後まで全力で戦っていきたいと思います。引き続き応援をよろしくお願いいたします。
J-GP3 RIDER #30 ノップルットポン・ブンブラウェット
“AUM” NOPRUTPONG BUNPRAWES

オートポリスではとてもよい経験ができました。チャレンジングなコースで決して容易ではなかったですが、走る楽しさを強く感じることができました。タイムも走るごとに縮めることができましたが、前戦もてぎでのケガの影響がまだ残っており、無理をせずリスクを抑えながら走ったため、一気に上げることはできませんでした。セッティングについては、ハードに振るべきだと思っていましたが、実はソフト寄りにセッティングを変更したことでフィーリングが良くなり、大きな発見がありました。ウォームアップ走行では新しいセットにもトライもしたかったのですが、それは叶わず。僕自身、まだライディングスタイルを改善する必要があり、特にうまく走れないときの対応をもっと研究していきたいと思っています。今回レースができなかったのは残念ですが、日本に来てこのチームで経験を積めたことに心から感謝しています。伊藤監督、渡辺コーチを始め、支えてくださった皆さんに感謝いたします。次は2週間後、ATCもてぎに挑戦します。参戦するレースは違いますが、これまでの全日本での経験を活かし、よい結果を残せるよう頑張ります。引き続き応援よろしくお願いいたします。
J-GP3 RIDER #15 タナチャット・プラトゥムトーン
“AUSTIN” THANACHAT PRATUMTONG

ウエットコンディションは得意な方ではなかったのですが、今回のテストからレースウイークにかけては驚くほどウエットでのフィーリングがよく、タイムも上位につけることができました。この感覚は自分でも不思議でしたが、だからこそ自分を信じようと思えました。ウエットであれば表彰台も狙えるチャンスがあると感じていました。一方で、テストからセクター3では少し苦戦しており、そこを攻め切れればドライでもさらにタイムを詰められると思っていました。予選では、速いライダーについていこうと思っていましたが、うまくいかず悔しさが残りました。昨年よりは確実に成長していますが、まだまだ課題が多いと感じています。残念ながら決勝はキャンセルとなってしまい、とても悲しいです。ATCもてぎで再び日本に戻ってきます。違うレースカテゴリーでの参戦となりますが、ぜひ引き続き応援していただけるとうれしいです。また、このチームで過ごした時間は本当に楽しく、別れがとても寂しいです。お世話になった伊藤監督、渡辺コーチ、そしてメカニックを始めサポートしてくださった皆さんに心から感謝しています。これからも精一杯頑張りますので、応援よろしくお願いいたします。
J-GP3 RIDER #31 テーシン・インアパイ
“BRITE” TECHIN IN-APHAI

オートポリスは非常にテクニカルで難しいと聞いていたので少し不安もありましたが、実際に走ってみるととても楽しいサーキットでした。走る度にフィーリングをつかめて、自分なりのリズムやアクセルワークもうまくできたと思います。トップとの差はまだまだありましたが、これまで走ったサーキットと比べると、初めて楽しく走ることができたように思います。予選は風が強く大変でしたが、前を走るライダーについていくことでタイムを上げられると同時に、自分の弱点と強みを改めて把握できたのは大きな収穫です。レースがキャンセルになってしまったのは本当に残念でした。特に今回は、オースティンとウムと一緒に走れる最後の機会だっただけに悔しさもあります。次戦からは倫太郎と2人体制になりますが、いいチームメイトに恵まれてここまで成長できましたし、日本でのレースにも徐々に慣れてきました。海外で1人で戦う経験も活きているので、これからも楽しみながら挑戦を続けていきたいです。引き続き応援をよろしくお願いします。
J-GP3 RIDER #34 戸高倫太郎
RINTARO TODAKA

テストでは雨で思うようにプッシュできず、ドライでは6~8番手を走れたものの、想定したタイムには届かず課題を感じました。レースウイークでは自己ベストを更新しましたが目標には届かず、予選も強風の中で苦戦。さらに試したかったセッティングもウォームアップが走れず実行できず残念でした。今は次のレースに向けて気持ちを切り替えていきます。このラウンドは仲の良いオースティンやウムと走れる最後のレースだっただけに寂しい気持ちもありますが、2週間後のATCもてぎにワイルドカード参戦が決まったので、再び一緒に走れることを楽しみにしています。オートポリスは僕の地元サーキットであり、多くの方に応援に来ていただいたのに良い走りを見せられなかったのは心残りです。今後はしっかりと結果を残し、もっと応援していただけるライダーになれるよう努力します。