【MFJ全日本ロードレース選手権シリーズ 第1戦 SUPERBIKE RACE in MOTEGI】新生Astemo Honda Dream SI Racing始動。

日程・場所

栃木県・モビリティリゾートもてぎ(1周=4.801379km)

023年4月1日(土):公式予選・JSB1000レース1
天候:晴れ コース:ドライ

2日(日):決勝・JSB1000レース2
天候:曇り コース:ドライ

目次

新生Astemo Honda Dream SI Racing始動。

全日本ロードレース選手権シリーズ2023年シーズン開幕戦が栃木県・モビリティリゾートもてぎ行われた。

2020年に誕生し今年で4年目を迎えるチームは新体制となり初めてのレースウイークを迎えていた。

ライダーは、JSB1000クラスの作本輝介とST1000クラスで3連覇を狙う渡辺一馬が継続。

新たにブリティッシュスーパーバイク(BSB)帰りの水野涼をJSB1000クラスに、14歳のタイ人ライダー、ブラパ・ワンムーンをST600クラスに加え、総勢4名がフルエントリーする。

3月のファン感謝デー後の2輪合同テストで作本と水野が肩慣らしを行い、前週に行われた事前公開テストから4名そろって本格的に始動した。JSB1000クラスは、世界に先駆けてカーボンニュートラル燃料を導入。その特性に合わせたセットを出すことが要求され、チームの総力を上げて対策していった。ブラパは、この事前公開テストが、もてぎ初走行。600ccも今年から乗り始めているだけに、まだ経験も少ない中だったが、走る度にタイムを上げていった。

開幕戦は木曜日に特別スポーツ走行が設けられており、通常より1日⻑いレースウイークとなる。各ライダーは、新しく組むメカニックとディスカッションしながらマシンのセットアップを進めていく。

公式予選とJSB1000クラスのレース1が行われた土曜日は気温が上がり汗ばむ陽気となった。40分間で行われたJSB1000クラスの予選では、水野がセッション終盤にタイムを上げ3番手となりフロントロウから3年振りとなる全日本のレースをスタートすることになった。作本も自己ベストを更新し7番手につけた。その後行われたST600の予選でブラパは24番手、ST1000の渡辺はコースレコードを更新する走りを見せるが、周りも速くポジションは5番手となっていた。

15周で争われたレース1。フロントロウイン側から好スタートを見せた水野がホールショットを奪いレースをリード。作本もスタートダッシュを決め3番手につける。2周目に水野は中須賀選手にかわされ2番手に下がると、3周目には作本が水野の前に出ていく。序盤のトップグループは、Astemoカラーの2台とヤマハファクトリーの2台が形成していた。しかし、8周目に入ったところで水野のマシンに問題が発生しスローダウン。悔しいリタイアとなってしまう。一方、作本は3番手と表彰台圏内を走っていたが、レース終盤にペースが上がらず5位でゴールしている。

日曜日は曇り空となり気温も前日よりは上がらなかった。近くに雨雲が通った際に雨が流れてきたが、コースはドライコンディションですべてのレースが行われた。

JSB1000クラスのレース2でも、水野は2列目から好スタートを決め、3番手で1コーナーに入ると3コーナーでヤマハファクトリーの2人を一気にパスしトップに浮上。その座を5周目までキープするが6周目の1コーナーで中須賀選手にパスされ2番手。作本は3番手につけ、トップグループは5台が形成していた。レース中盤が過ぎると水野、岡本選手、名越選手が2番手争いを繰り広げ、作本もついていきたいところだったが、ペースが上がらず単独走になってしまう。

三つ巴の2番手争いは、レース終盤にヒートアップ。何度もポジションを入れかえレースを沸かせる。水野は最終ラップの90度コーナー、そしてビクトリーコーナーでも仕掛ける意地を見せるがクロスラインを取られ4位と惜しくも表彰台を逃す結果となった。作本は5位でゴールしている。

ST1000クラスもハイレベルなトップ争いが繰り広げられた。ディフェンディングチャンピオンの渡辺は、スタートで出遅れるが序盤はトップグループの後方につけていた。中盤から徐々にポジションアップし、4番手で最終ラップに入ると、高橋裕紀選手をS字コーナーの進入でかわしてゴール。開幕戦で3位表彰台を獲得した。

ST600クラスのブラパは、25番手から追い上げのレースを見せ、ここでも予選タイムを上回り自己ベストを更新。全日本デビュー戦を19位でチェッカーフラッグを受けている。

ライダー・監督コメント

伊藤真一 チーム監督Shinichi Ito Team Manager

Astemoさまを始めとする、各スポンサー、サプライヤー、関係者の皆さまに支えられ2023年の開幕戦を戦い終えることができました。今年は新しい2名のライダーがチームにジョイント、チームスタッフも新しいメンバーを中心に変更した新生Astemo Honda Dream SI Racingとして始動しました。まだまだ足りない部分もありますが、ライダーの頑張りに応えるように、しっかりした体制を整 えていきます。JSB1000クラスは、惜しくも表彰台は逃しましたが、いいレースができたと思います。反省すべきところは反省し、さらに上を目指していきます。

JSB1000 #4 作本輝介Kousuke Sakumoto

Race 1 予選7番手(タイム:1分48秒552)決勝:5位
Race 2 予選6番手(タイム:1分48秒732)決勝:5位

2レースともに後半にペースを上げることができず、どちらも5位と難しいレースになってしまいました。事前公開テストからレースウイークの流れは悪くなく、ユーズドタイヤでもまずまずのペースで走ることができていたので、もっといいレースができると思っていたので悔しいですね。課題はハッキリしていますし、もっとライダー側でカバーできるようにして、上位でゴールできるようにチームと取り組んでいきます。

JSB1000 #36水野涼 Ryo Mizuno

Race 1 予選3番手(タイム:1分48秒399)決勝:DNF
Race 2 予選5番手(タイム:1分48秒679)決勝:4位

⻑いシーズンオフが終わり、ようやく開幕戦を迎えられました。Astemo Honda Dream SI Racingの一員として走れる環境を与えてくださった伊藤監督を始め、チームの皆さんに感謝いたします。満足いく結果は残せませんでしたが、印象に残るレースができたと思います。新しい環境でレースを終えて見て分かったことも多かったですし、今回の経験を生かして、もっといい形で戦えると思いますし、チームとコミュニケーションを取りながら次戦の鈴鹿に挑みたいと思っています。

ST1000 #1渡辺一馬 Kazuma Watanabe

予選5番手(タイム:1分49秒560)
決勝:3位

スタートで出遅れてしまい、なかなか前にいけずに苦しいレースになってしまっていました。中盤から後半のペースは自信がありましたし、130RからS字コーナーは自分の強みだと思っていたので、そこを生かして追い上げることができました。事前公開テストで転倒し、チームにご迷惑をかけてしまいましたし、いい流れを予選まで作ることができていなかった中で最低限の仕事はこなせたかと。Astemoの皆さんも応援に来てくれていましたし、表彰台に上がれたことは、シーズン全体を考えても、よかったと思います。

ST600 #31ブラパ・ワンムーン Burupa Wanmoon

予選24番手(タイム:1分55秒850)
決勝:19位

初めてのチーム、初めてのマシン、初めてのコースと初めて尽くしでしたが、チームの皆さんのおかげで、まずはしっかりレースを完走することができました。マシンやタイヤを理解しながらペースを上げ、レースウイークになって周りのライダーの走りを見ながらステップ・バイ・ステップでセッションをこなすことができました。ローンチスタートも初めてだったので、少し出遅れてしまいましたが、レースでもペースを上げていけたのはよかったと思います。

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